テロリストのバイブル
今日も雨が降ったり止んだりの一日です。Instagramでアップした今朝のバルコニーの写真などは、まるで雲の上のようでした。山を切り開いて住宅地にしたのがよくわかります。100年前なら我が家はきっと森の中でしょう。
散歩中に見つけたレモンの木です。いいですね、自宅でレモンが取れるなんて。もし一戸建てを持ったら実がなる木を植えて、毎日その果実を食べ尽くしたい、という願望があります。不動産を持つこと自体に興味がなくなったので、願望のままで終わりそうです。
今日は散歩するのに最適な環境でした。その理由は湿度です。この時期にしては湿度が高いので、とても気持ちがいいのです。梅雨や夏の頃なら湿度が高いとウンザリですよね。でも乾燥しやすいこの時期の湿度は貴重です。肌にも風邪の喉にも最適。買い物中にほとんど雨にも降られませんでしたから、いい散歩ができました。
風邪はほぼ治りましたので、遅れた仕事を追い上げています。そして滞っていた読書もエンジン全開です。昨晩読了した本です。
『ジャッカルの日』フレデリック・フォーサイス著という本です。
先日映画を観て気に入ったので、早速原作を読んでみました。文庫本ですが550ページほどあります。ちょうど風邪の時期と重なってしまったので、読了するのに4日ほどかかってしまいました。
でも時間をかけて読むだけの価値がある作品でした。これはめちゃくちゃ面白い!
原作を読んでしまうと、映画が物足りなく感じてしまいます。かなり忠実に映画化されていましたが、原作の素晴らしさを超えるのは難しいと思います。ジャッカルという人物を映像化しようとすると、かえって魅力が半減するのかもしれません。
ジャッカルは文章の中でこそ映えるキャラだと感じました。神経質で緻密で完璧主義。そしてあらゆる事態を想定できる予測力。これらは文章の中で感じるほうがいいように思います。それほど捉えどころが無くて複雑な人物なのです。俳優さんが演技するのに困るタイプです。そしてそれこそがジャッカルの魅力でしょう。
この作品を有名なテロリストが愛読していたのがよくわかりました。プロに徹するということは、ここまでやるべきだ、と痛感させられます。ジャッカルが追いつめられたのは彼のせいではなく、雇い主のミスです。それがなければ完璧に遂行されていた仕事でした。
そしてそこまで追いつめられていたのに、ほぼ暗殺に成功していたのです。ラテン系民族であるドゴール大統領の風習を、アングロサクソン民族であるジャッカルが失念していたことで失敗する設定です。でもそれさえ除外すれば、完璧に暗殺の教科書となるような内容でした。
この作品が面白いのは、事実とフィクションを巧妙に織り交ぜていることです。著者の職業上、そうした情報に接する機会があったようです。ですからジャッカルに該当する人物が実際にいたとも言われています。出版されてからは、どこまでが事実なのかが読者の間で話題になったそうです。
もしかしたらテロリストたちが属する裏社会では、その真相が明かされているのかもしれません。そして彼られがこの作品をバイブルとしていたということは、この小説はドキュメントなのかも……。
そんな楽しい想像をさせてくれるほど、完璧に書かれた作品でした。今度はリメイクされたハリウッド版の『ジャッカル』を、改めて見直してみたいと思っています。原作を知った上でアメリカを舞台にした作品と比較してみたいからです。やはりまずは原作を読む、というのが基本だと改めて学びました。
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