SOLA TODAY Vol.475
ある意味どうでもいいことなんだけれど、ずっと疑問に思っていたことがある。昨日ある記事を読んで、その疑問が解消した。
その疑問とは、この二つのお菓子。
右の『リッツ』は子供のころから食べていた馴染みのある商品。大人になっても好きなので、たまに食べていた。ところが日本で『リッツ』を製造販売していたヤマザキナビスコがリッツの生産から手を引くというニュースがあった。
そこで登場したのが『Levain』という商品。詳しくニュースを読んだわけじゃないので、『リッツ』がなくなってこの新しいお菓子に変わったと思い込んでいた。
ところが最近スーパーを見ていると、この二つのお菓子が同時に並んでいる。えっ、『リッツ』って消えたのでは? 妻と二人、なぜこの二つのお菓子が並んでいるのか不思議に思っていた。
それには深いわけがあった。
問題となっているのは『リッツ』だけでなく、誰もが一度は食べたことがあると思う『オレオ』というお菓子も同じ状況になっている。どちらもアメリカに本社を置くナビスコの商品で、山崎製パンがライセンス契約を結んで1970年から製造していた。
ところがナビスコのライセンス供与権を持っているアメリカのモンテリーズという会社が、クレームをつけてきた。
「グローバル戦略の中で、日本のようなライセンス契約の形をとっているのは異例。モンデリーズの日本法人に直接製造・販売させる」
山崎製パンに対しては、「下請けならば今までどおりに任せていい」と上から目線で言ったらしい。当然山崎サイドは怒り、提携を解消した。
ところが類似商品を1年間は作ってはいけない、という契約になっていた。山崎製パンとしてはしばらく動けない。その間に、モンテリーズは海外の委託工場で生産した『リッツ』と『オレオ』を日本で販売していた。
そして類似商品の縛りが取れた去年、山崎はYBC(ヤマザキビスケット)という会社を設立。そこで作り始めたのが『Levain』であり、『オレオ』とまったく同じの『ノアール』という商品。
二つの会社による、仁義なき戦いが始まった!
だから現在の店頭には、そっくりの商品が別の会社により販売されている。ちなみに『チップスター』は日本で開発した商品なので、そのままナビスコからYBCに名前を付け替えて販売しているらしい。
現在のナビスコの『リッツ』はインドネシア、『オレオ』は中国で製造されている。だけど『Levain』と『ノアール』は当然ながらYBCが日本で製造している。長い間『リッツ』を作ってきたノウハウや工場があるから、体制は完璧に整っている。
対決1年目の売上を比較すると、YBCの勝利らしい。ナビスコのパッケージに馴染んでいる人は多いだろうけれど、ヤマザキの日本における営業力が功を奏している。もし『リッツ』が外国産で、YBCの商品が国産だと知る人が増えたら、さらにその勢いは増すかもしれない。
この記事でも写真入りで紹介されているけれど、ヤマザキの品質管理は完璧。海外で製造されるようになった『オレオ』は、商品の均一性がなくなって悲惨なことになっている。日本で『リッツ』や『オレオ』が売れたのは、ヤマザキの高い技術があったからだろうね。
これで疑問が解けてスッキリした。今度機会があればYBCの商品を買ってみようと思う。類似商品を生産できないという縛りが解けたので、これから大手スーパーでもYBCの商品が並ぶらしい。ナビスコはバカなことをやらかしたよねぇ。
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