SOLA TODAY Vol.498
勇気が欲しいとき、癒しを求めているとき、あるいはやる気を喚起したいとき、もしかしたら人間に代わってAIがその手助けをしてくれるかもしれない。
そんなことを感じさせる記事を読んだ。
「FF」最新版に導入された人工知能の実力 ゲームのAIから見える未来
人気ゲームに「ファイナルファンタジーⅩⅤ」というものがある。ずっとシリーズ化されているゲームなので、「ファイナルファンタジー」という言葉を耳にしたことがある人は多いはず。
このゲームの最新版であるXVでは、3つのAIが使用されているらしい。
「キャラクターAI」=仲間や敵が自分自身で意思決定をして行動するための頭脳
「ナビゲーションAI」=地形や位置情報をつかさどる頭脳
「メタAI」=状況にふさわしい展開になるように進行を導く頭脳
これらによって、プレイする人によってまったくちがうゲームを体験することができる。以前からゲームは複数のシナリオを体験できるようになっているけれど、AIを使うことでさらに進化したということだろう。
この記事でゲームの開発者が述べているが、将来的には友達関係に悩んでいる人に、友情を体感できるゲームを提供できたりするようになるらしい。つまり人間の感情を読み取って、それにふさわしい物語を提供してくれるということだろう。
これまでは映画や小説が受け持っていた世界に、こうしたゲームが参入してくるんだろうね。AIの進化は、これまでとまったくちがう価値観を人間に提供すると思う。
『荒木ゆい』というAIアナウンサーが開発されている。YouTubeで見たけれど、多少機械的な音声になっているだけで、まったく違和感がない。だって10万件以上のニュース音声を学んでいるから当然だろう。
実際に放送局等に提供されていて、これからはニュースのアナウンスやラジオのDJが、AIによって放送されるようになるかもしれない。アニメの声優さんなんかも、おそらく仕事が激減することになると思う。
こうなってくると、あらゆる分野にAIが使用されるはず。最初に書いたけれど、心理カウンセラーとしてAIが登場してくる時代はすぐそこじゃないだろうか?
精神的な悩みを抱えた人が、AIと会話することで人生をリスタートできるようになると思う。人間のカウンセラーだと敷居が高いように感じている人でも、相手が機械だと気軽に本音を吐けるかもしれない。AIによって悩んでいる大勢の人を助けられるような気がする。
AI脅威論を唱える人はいる。だけどAIは所詮ツールでしかない。脅威なのはAIを悪用する人間の心だろう。この記事にも書かれているけれど、人間を見たら銃を撃て、というプログラムをAIに組み込むことはできる。でもそれはAIが脅威だという理由にはならない。
AIを利用することは、人間にとってメリットのほうがはるかに多いとボクは思う。デメリットを想像して怯えているより、どうすれば有効利用できるかを真剣に考えるほうが有意義。それは人間がどのような意識でツールを使用するか、ということに行き着くと思う。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。