年齢を重ねていく幸せ
今日は4ヶ月に1度の歯科検診の日。歯の健康状態をチェックしてもらい、歯石を取ってホワイトニング。通うのは面倒で時間も取られるけれど、終わったあとは気持ちがいい。舌にツルツルの歯が触れると、なんだかテンションが上がる。
若いころは歯科検診なんて行こうとも思わず、ほったらかしにしていた。だけど50代も半ばになるとそうも言っていられない。虫歯よりも怖いのは歯周病菌だからね。歯石を定期的に取っておかないと、歯を支えている骨が溶けてしまう。
若さだけで切り抜けてきたことはいくつもあるけれど、それ相応の年齢になるとケアすることは欠かせなくなる。病気になってから治療するのではなく、予防意識が求められる世代だからね。とりあえず歯科検診だけは真面目に通っている。
自分の人生が終わりに近づいていることを感じるようになると、言葉にできない焦りを感じるもの。これまでの人生をふり返り、後悔することも多くなる。だけど年齢を重ねることは、決して不幸なことじゃない。若いころに見えなかったものが理解できるようになり、知覚できる世界が広がることがある。もちろん反対にせばまることもあるかもしれないけれどね〜www
でもこんな風に歳を取っていけたらいいな、と思える素敵な夫婦の映画を観た。
『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』(原題:5 FLIGHTS UP)という2014年のアメリカ映画。素敵な夫婦を演じているのは、この写真のモーガン・フリーマンとダイアン・キートン。いいキャストだよね。
この2人が暮らすニューヨークのアパートは、エレベーターがない。画家のアレックスは、愛犬のドロシーと散歩に行くのが日課。だけど夫の体調を心配した妻のルースは、エレベーターのある住宅に引っ越すことにした。
ルースは引越しに乗り気だけれど、アレックスはそうでもない。階段が辛いのはわかっているけれど、この家に愛着を持っている。妻と結婚して2年後に初めて買った家だから。何よりも自分のアトリエから見える景色が大好きだった。
家を売るということは、当然ながら新しい家を探すことが必要になる。そんな2人のドタバタをコメディタッチで描いた。老夫婦のラブコメディという雰囲気の映画だった。
映画の随所で、若いころの思い出シーンが出てくる。ルースは子供を産めなかった。そして40年前に黒人の男性と結婚するということは、家族にさえ偏見を持たれる時代だった。だけどそんな困難を乗り越えて、今の2人がここまでやってきたことがよくわかる。
とにかくダイアン・キートンが可愛い。見た目は老人だけれど、心は昔のまま。夫の絵を若い画廊主に批判されると、真剣になって反論するような女性だった。そして夫のアレックスは、どこまでも優しい。本当に素敵な夫婦だなぁと、心からそう思った。
ボクが予想したとおり、家を売らないことを2人は最後に決める。歳は取っているし、階段はしんどい。そしていつかはこの家を出るだろう。だけどもう少し、思い出多いこの家で2人の時間を過ごそう。そう決意してリフォームをするシーンで終わる。
シンプルだけれど、心温まる素敵な映画だった。年齢を重ねていく幸せを感じることができる。外は寒いけれど、この映画を観ると心が温まるよ〜!
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