SOLA TODAY Vol.764
セレブという言葉から頭に浮かぶイメージは固定化されている。ハリウッドの俳優やヒットチャートを賑わせる歌手、財閥の相続者や貴族の末裔、近年ではIT企業の経営者も含まれるだろう。
そんなセレブたちのイメージのなかに、ボクの場合はファッションモデルも含まれている。最新のデザインを身にまとい、スポットライトを浴びてランウェイを颯爽と歩く。もちろん美男美女ばかりだから、見栄えもいい。
だけどモデルたちの実態は、セレブとはかけ離れているらしい。
かなりショッキングな記事だった。世界を舞台にしているようなファッションモデルの人でも、経済的にかなり苦しい生活をしているとのこと。
その元凶はエージェントによる搾取だと書かれている。ファッションモデルの出演料は、それほど高額なものではない。海外へ渡航して宿泊代を差し引くと、収支トントンのような状況だそう。
ところがそうした諸経費を、ファッションモデルの多くは自腹で支払っている。もっとひどい場合は、エージェントが勝手にホテルを抑えて、その金額を請求したうえに貸し付けてくる。ていのいい押し貸しのようなもの。だから借金からスタートすることになる。
もし滞在先で体調を崩そうものなら、出演料はもらえない。当然ながらエージェントへの借金だけが残るという構図になっている。この記事によると、ファッションモデルとして成功しているのは、全体のわずか2パーセントの人だけらしい。
よく考えたら、先ほどセレブの代表であげた俳優や歌手も同じだよね。ハリウッドでスター扱いをされている人は一握りで、ほとんどの人が夢破れて消えている。歌手やミュージシャン、あるいはスポーツ選手も同じだろう。
俳優やファッションモデルの人の場合。容姿は一般人に比べてずば抜けて優れている。だからこそこの記事のような現状だと、売れたいがために不当な我慢を強いることになってしまう。特に女性の場合、それは深刻なことになりやすい。
#Me Too問題の元凶はこういうところにあるんだろうなぁ。競争の厳しい世界であるのはたしかだけれど、不当なパワハラやセクハラに耐えなくてはいけないのは異常だろう。だけどこの記事を見ていると、その根が絶えることはなさそうに思える。
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