芸術という言葉は免罪符にならない
芸術だからといって、何をやってもいいというわけじゃない。表現の自由という名のもとに、誹謗中傷を正当化するのは間違っている。
何についてかといえば、ここのところ話題になっている「あいちトリエンナーレ」のこと。
最初に書いておくけれど、ボクは政治的な信条など皆無。右翼でも左翼でもなく、そのときに自分の頭で考えて是々非々であることを心がけている。人間のやることなので主観は消せないけれど、できる限り客観的であろうと意識している。
そんなボクの感覚で言えば、この催しには明らかに賛同できない。朝日新聞が公式に謝罪した経緯のある慰安婦像は、韓国において半日を象徴するアイテムとして使用されている。そんなあいまいなものを芸樹と称して展示するのは世間に喧嘩を売っているのと同じ。
もうひとつ絶対に容認できないのは、昭和天皇の御真影を焼き捨てるという映像があるそう。これが芸術？ 太平洋戦争に関与された昭和天皇ではあるけれど、故人である方に対してその行為は明らかに常軌を逸している。
現代においても天皇陛下という存在に親しみを覚えている日本人の立場にすれば、イスラム教のコーランを焼き捨てるのと同じ行為。それを芸術だとか、表現の自由というのは、どれだけ客観的に見ても反日感情をあおっているだけにしか思えない。それゆえ、ボクはこれらについて展示中止になったことは当然だと考えている。
ただその経緯に様々なことがあって、どうもこの催しの問題点がズレてしまっている。中止しなければガソリンを撒いて火をつける、という脅迫があったらしい。その真偽は別にして、これが展示中止の理由だとされているのはおかしいと思う。
これは明らかな脅迫事件であって、警察に捜査を依頼すべきこと。脅迫によって展示に慎重になるのは理解できるけれど、ボクの感覚で言えば、主催者側はその脅迫者に全責任を負わせようと、論点をすり替えているように見える。
さらに中止を示唆した名古屋市長に非難の言葉を浴びせかけたり、国家による検閲だという言い分は、完全に論点の本質からずれている。この展示が中止すべき理由はそこじゃない。そのことについてズバッと指摘されている記事がある。
「慰安婦像」への抗議に屈したあいちトリエンナーレ「本当の問題点」
ボクが今回の反日的な展示を中止するべきだと思ったのは、この記事に書かれている趣旨のとおり。
このイベントは文化庁の助成事業であって、公金が使われている。つまり税金が投入されているということ。
そしてこのイベントの実行委員長は愛知県知事だということ。税金や自治体の首長がからんでいるイベントで、反日のシンボルである慰安婦像の展示や昭和天皇の御陰影を燃やす映像を展示することに対して、納税者に対して明確な説明ができるのだろうか？
この部分が最大の問題点。ボクが展示に反対する理由もここ。
民間のお金でやるのなら、勝手にやればいい。それを表現の自由だと声高に叫べばいいだけのこと。だけど税金を使っておいて、国益を損ねたり国民感情に配慮しない展示はおかしい。芸術という言葉が免罪符になると思ったら大間違い。
もうひとついえば、芸術というものは感動や生きる勇気を与えてくれるものだと思う。中止された展示に、そんなものを感じるだろうか？ 少なくともボクには嫌悪感しかない。
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