京都市はコロナ前から観光貧乏?
京都市で生まれ育って40代後半まで暮らしたボクは、どうしても京都のことが気になる。昨年まではインバウンドの人たちが押し寄せて、市バスでさえまともに乗れない状況だった。ボクが仕事をしていて祇園町でも、観光客に対する地元住民による苦情が絶えなかった。
ところが新型コロナウイルスの影響で観光客が激減した。インバウンド99%減に始まり、観光バス利用99%減、ホテルの売上8割減が80%という惨状になってしまった。今年の祇園甲部の『都をどり』も中止されている。
観光業界で働いている人は大変なことになっているだろう。だけど京都市による支援は、他の自治体に比べて薄い。大勢の観光客が押しかけていたのに、なぜ京都市の財政はそれほど厳しいのだろう?
その答えを知って驚いてしまった。
どうやら京都市はコロナ前から貧乏だったらしい。それは支援金の額を見るとわかる。記事から抜粋してみよう。
『休業要請に対する協力金だが、関西でいえば、大阪、兵庫では100万円、京都市を除く京都府下の自治体で40万円、京都市だけは20万円という大きな差がでた』
これだけではない。観光事業者向けの緊急支援金が1日で締め切られるという事態になった。10億円の予算に25億円分の申請があったから。あっという間に予算不足に陥って、あわてふためく状況だったらしい。
なぜあれほど観光客が押し寄せていたのに、京都市の税収は増えていないのか? その理由としてあげられているのが、『ゼロドルツアー』と呼ばれているそう。
インバウンドのほとんどは中国の人たちで、『ゼロドルツアー』は中国の人たちがやっているらしい。他の国でも迷惑だとして規制をしようとしているが、なかなか難しいとのこと。
日本へは格安のLCCで関空に到着する。そこから中華系の白タクで移動して、ホテルは中華資本を使い、飲食店や土産物店でさえ中国人の経営している店に連れていく。そして支払いはウイチャットペイ等の中国決済。つまり日本、並びに京都市へお金が落ちないツアーが行われていたそう。
爆買いに関しても大規模店のほとんどは京都市に拠点がない。だから地元の京都は観光客で混雑するだけで、お金がさほど落ちないという状況だったらしい。それでもまだ人が動いていれば多少のお金は落ちる。だけどいまはそれさえ無くなってしまった。
すべてが『ゼロドルツアー』じゃないだろうけれど、これが事実だとしたらかなりの影響はあるだろうと思う。インバウンド誘致に関して、中国を主流にしてきたことの弊害が出ているのかもしれない。リスク回避をするなら、ヨーロッパを含めた富裕層をどれだけ取り込めるかだろうからね。
ただこうなってしまったら、中国もヨーロッパも関係ない。国内旅行でさえまだ本格的に動いていない状況だから。今年の夏は祇園祭の山鉾巡行は中止だし、もしかすると五山の送り火も中止になるかも。
京都市にとって最悪の1年になりそうだけれど、これを機会に新しい方向性を見出すしかない。頑張れ、京都〜〜!
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