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高羽そらさんインタビュー

共感できた刑事と犯罪者の友情

いわゆるクライムアクションというジャンルは、追う者と追われる者が明確に区分されている。もっとも多いパターンが刑事と犯罪者という図式。

 

ところがその刑事と犯罪者が協力することで、別の犯罪者を追いかけるという映画を観た。珍しいパターンだけれど、この変則的な設定が違和感なく楽しめる作品だった。さすがイギリス映画だよなぁ。

 

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2021年 映画#150

『ビトレイヤー』(原題: Welcome to the Punch)という2013年のイギリス映画。

 

主人公のマックスは刑事。3年前にスターンウッドという大物の犯罪者を追っていた。援護のない状態でスターンウッドを追い詰めたが、警察の銃規制で武器を携帯していなかったマックスは、スターンウッドに銃で足を撃たれて逃げられてしまう。

 

3年後にスターンウッドを逮捕できるチャンスがやってきた。スターンウッドの息子が銃で撃たれて重傷となり、空港で倒れているのが見つかったから。おそらくスターンウッドは息子を助けにくるはず。そこでマックスは病院に罠を張ることで宿敵を逮捕しようとした。

 

だが勘の鋭いスターンウッドは、直前で罠に気づいて逃げる。そしてその息子は治療の甲斐なく命を落とす。だけどマックスは息子の死を隠し、どうにかしてスターンウッドを誘き寄せようとした。そのために息子の死の真相を調べていると、その背後に大掛かりな犯罪があることに気づく。

 

その闇の組織が動いた。事件の真相に近づいたマックスの相棒である女性刑事のサラが殺されてしまう。それだけでなくその犯人は、サラの遺体をマックスの自宅に放置することで、彼を犯人に仕立ててしまった。マックスはサラを相棒としてだけでなく、恋人としても愛していたので復讐を誓うことになる。

 

要するにサラを殺した連中と、スターンウッドの息子を殺したのは同じ。やがてそのことに気づいたマックスとスターンウッドは、牽制しながらも協力してこの事件の黒幕を暴き出す。そして復讐を遂げるという物語だった。

 

宿敵であるスターンウッドを、いつしか頼りにするマックスの心の動きがとても良かった。決して無理な設定ではなく、必然性に導かれた結果だった。特にサラの死はマックスの復讐心を掻き立てた。だから映画の中盤以降になると、ボクは必死になってマックスとスターンウッドのコンビを応援していた。

 

ただ残念なのは、3年前にスターンウッドがマックスを殺さなかった理由が語られていないこと。ここはとても重要な部分だと思う。丸腰の人間を殺すのが嫌だとか、マックスが息子に似ているとか、なんらかの理由が欲しかった。ここは物語として致命的なミスだと思う。

 

だけどそれを許せるのはスターンウッドを演じたマーク・ストロングが最高だったから。以前からボクの好きな俳優さんで悪役もうまい。だけど彼が登場してきた段階で、単なる悪役ではないことはすぐにピンと来た。スキンヘッドがマジでかっこいい。

 

そしてマックスを演じたジェームズ・マカヴォイは、アクション俳優としてやっていけるのを証明した演技だった。スティーブン・キング原作の『IT それを見たら終わり』の続編で、大人になった主役のビルを演じていた。そのときとは雰囲気がちがう演技だったので、ちがう一面が見られてとてもよかったなぁ。

 

もしかしたらこの映画、主役をスターンウッドにしたほうが良かったかも。そうすれば二人の友情がもっと多くの共感を呼んだと思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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