今年のセミが遅かった理由
日本は台風上陸の常連国だし、世界的にトップクラスの地震国でもある。それゆえ日本人は自然の脅威に敏感で、常にアンテナを張り巡らしているようなところがある。だから『前兆』や『予兆』という言葉を目にすることが多い。
南海トラフ地震が現実的となってきた現状において、いつもとちがう様子を感じると『前兆』ではと思ってしまう。今年に関していえば梅雨がそう。梅雨入りが早かっただけでなく、雨量が少ないまま早々に梅雨明けしてしまった。心配性の人なら、これだけで天変地異の『予兆』だと思うかもしれない。
ボクはさすがにそこまで感じないけれど、少し気になったことがある。それはセミの登場が遅かったこと。セミ好きとしては、少しでも早くあの元気な声を聞きたい。だけど梅雨明けしても静かだし、7月になってもまったくセミの声が聞こえなかった。
4日ほど前にようやく今年の初鳴きを耳にして、2日前には神戸六甲のどこを歩いてもセミの声を聞くことができた。でも動物というのは自然の変化に敏感。だから今年のセミの異常な行動は、もしかしたら天変地異の前触れでは? というようなことを心のどこかで考えてしまう。
そんな不安もセミの習性を知ると消えてしまう。今年のセミが遅かった理由に納得した。
天変地異の前触れ? 「猛暑なのに、セミの鳴き声が聞こえない」のはなぜなのか、昆虫学者に聞いてみた
リンク先の記事を読む前、今年のセミが遅い別の理由を聞いた。セミの幼虫は土の中で待機している。梅雨の時期にしっかりと雨が降ることで、土が柔らかくなってくる。その雨の水分を感じることで、柔らかくなった土を掘って外に出てくるそう。
今年の梅雨は例年にないほど短かった。だから十分な雨が降らなかったことで、梅雨明けになってもセミが出てこなかったのだろう。先週くらいに各地で強い雨が降ったことで、ようやく水分を感じたセミがここ数日で出てきたのだと思う。
リンク先の記事には別の理由が書かれている。それはセミの有効積算温度というもの。記事から抜粋してみよう。
『幼虫やサナギから羽化するまで、トータルで一定の温度を積み重ねなければ成虫になれない。しかも有効温度帯というのもあって、極端に寒かったり、逆に暑かったりすると、それはカウントされないんです。今年の春先は例年にも増して寒かったですから、急に暑くなったとはいえ、数日間の気温の急上昇では間に合わない』
なるほど。たしかに今年の春は気温が低かった。初夏の時期になっても、まだ冬の延長のように感じることもあったくらい。かといって急激に暑くなっても有効積算温度にカウントされない。だから今年のセミはいつもより出遅れたということ。この習性がわかれば、それほど心配することじゃない。
いや、でも待てよ!
セミの登場が遅い理由は理解できた。だけどその要因である極端に短い梅雨と、異常な寒さだった春の気温はどうよ?
やっぱ異常気象なのはまちがいない。セミが遅かった理由だけにフォーカスしていると納得できても、そうなった元をたどればどこかおかしい感じる。やっぱりこの現象は天変地異の『前兆』なのでは?
とまぁ、人間の妄想は暴走すると止めらないwww 陰謀論にハマってしまう人は、こんな思考の堂々めぐりから抜けられないのだろうな。気象だけでなく、社会情勢も異常なことが増えているので気をつけなくてはね。
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