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高羽そらさんインタビュー

ガストンとの対話2 Vol.24

ガストンさん、先日興味深いニュースをネットで見ました。ドローンに関することです。ポーランドでは妊娠中絶が厳しく制限されています。日本でも原則は禁止ですが、事実上は容認されていますね。でもポーランドではそんな逃げ道もない。そこでオランダの非営利団体が中絶用のピルをドローンでポーランド領内に届けることを計画したとのこと。

 

「ドローンは小さ過ぎてレーダーで捉えることができないからな。つまりそれは犯罪にも使用される、ということだ」

 

そうですね。レーダーで捕捉できないのなら、麻薬の密輸にも利用できます。実際、そうした事件も起きているようです。もちろん全ての道具に共通することですが、平和利用であれ戦争利用であれ、それを使う人間次第だとわかっています。ただ技術の進歩は、今まで違う発想を生じさせます。そのことに期待と不安が入り混じった感情を持っています。

 

「お前さんの言わんとすることはわかる。つまり戦争の形態が大きく変化するだろう、と危惧しているのだな?」

 

えぇ、そうですね。先日アメリカ軍がISを無人機で攻撃したニュースを見ました。過去の戦争は人と人が戦っているイメージがあります。しかしこれからの時代、ドローンのような無人機が攻撃の主流になっていくのではないでしょうか? 兵士が直接手を下す、という感覚が失われていくような気がします。

 

「間違いなく、そうなるであろう。いや、すでにそうなりつつある。普通に日常生活を送りながら、職場に出勤する。そしてまるでテレビゲームで敵を攻撃するかのように、モニターの画面越しに人命を奪うことが現実に実施されている。そうした人間がどうなるか知っているか?」

 

いえ、わかりません。

 

「普通の人間なら精神が破綻するであろう。自分は安全な場所に身を置いて、誰かの命を奪う。そのギャップに精神が耐えることができなくなる。戦争の前線に赴いて自分の命の危機と向き合いながら発泡するほうが、心はまだその理屈を受け入れやすい」

 

自分の罪の重さを実感できないほうが、かえって精神を破綻に導く、ということですか? 怒りにまかせて誰かを衝動的に殺したとします。その場合はその罪に対する自分の行動を説明できるかもしれません。でも兵士として軍の機能の一部に組み込まれ、スイッチひとつで何百人もの命を奪うことが戦争です。でも自分が自覚できるのは、その作戦全体の一部を切り取った部分的なものです。全体に起きたことが把握できない。これがこれからの戦争なのですね。

 

「自分が自覚することなしに、誰かを苦しめ、誰かの人生を終わらせている。これほど恐ろしいことはない。これは何も兵士に限ったことではない。もっと視点を広げてみれば、もっと多くの人間が戦争に加担していることがわかる。もちろん自覚など、これっぽっちもない。極論だと思って聞いてくれ。例えば作物を栽培している農家がいたとする。一部は一般人の食料になるが、他の一部は軍に届けられるとしよう。兵士の肉体に入り込んだ作物のエネルギーが、人を殺すことに使用されている。つまりその作物を栽培することが、誰かを殺すことに役立っている」

 

う〜ん、かなりの極論ですね。でもあなたの言っている意味はよくわかります。小さな電子部品を組み立てることで、それが兵器に使用されることもある。こちらにそうした意図がなくても、客観的に見れば戦争に加担していることになります。でも、これは避けようがないですね。生きているだけで、自分が戦争に加担しているように思えてきます。

 

「思えるものではない! 事実なんだよ。加担しているんだ! この世界で起きる全ての出来事は、それが幸福であれ戦争であれ、全ての人間に責任がある。どれだけ戦争反対を叫ぼうが、その戦争を起こしていることにその人間の意識は加担している。そうでなければ、その人間が戦争を自覚することなどできない。自覚できる全ての出来事に、自覚をする人間全てが関わっているのだ。最も大切なこと。それは全ての出来事に、個々の人間が全てが責任を持っている、ということを理解することだ」

 

それが現実を受け入れる、ということですね。自分がどれだけ他人を愛して思いやっていても、犯罪や戦争が存在する限り、私がその責任から逃れているわけではないのですね。厳しいですが、そうだと直感が肯定しています。

 

「人間が最も陥りやすい罠を教えてやろう。自分は責任がない、自分は関与していない、と思うことだ。自分は愛を抱いて過ごしているから、戦争に反対しているから、そうした争いとは無縁だと切り離す。多くの動物の命が失われているから、私はベジタリアンだ。だからそうした蛮行には加担していない。私は清廉潔白な肉体だ。そう思って、違った考えを持つ人たちから自分を切り離す。この罠がわかるか?」

 

分離ですね。

 

「そうだ。自分は関わっていない、関与していないと信じ、そうした出来事から自分を切り離す。それは強烈な自我の増大につながる。正しいことをしていると自覚しながら、自己意識の執着へと突き進んでいる。世界の悲しき出来事が自分に責任があると思っている人間は、黙って行う。平和であることや、ベジタリアンであることを他人に吹き込んだり、強制したりはしない。なぜならまだそれが世の中に存在している限り、自分に責任があると自覚しているからだ」

 

この世界に争いや憎しみが存在する限り、それらを他人事でなく自分のこととして理解する。それが本当のワンネス意識ですね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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