天寿を生きる
二日間お盆休みモードでしたが、今日から通常モードです。いつも通り、買い物を兼ねて外出しました。
空気が乾燥しているので、木陰は気持ちよく歩くことができます。でも今日の日差しはきつい。雲が少ないので、太陽の光が痛いくらいに熱かったです。それでも湿度が低いだけマシですね。ハワイに行ったことはないのですが、きっと今日のような爽やかな暑さなのでしょう。
ということで、南国っぽい花を散歩中に撮影してみました。夜は少しずつ過ごしやすくなっています。私が京都に住んでいる頃は、8月16日の五山の送り火を見ると、夏が終わるような気持ちでした。その送り火もいよいよ明日です。
神戸に引っ越してから五山の送り火を見ていません。久しぶりに見に行きたいね、と妻と話しています。ただ、それには多大なる勇気と決断が必要です。だって大勢の人にもみくちゃにされるのをを覚悟しなければならず、電車も混雑するのは必定。明日の体力と気力しだいですね〜
今日の午後はいつもながら一週間遅れで大河ドラマ『花燃ゆ』の録画を見ました。高杉晋作が決起して、いよいよ歴史が大きく動いていきます。今年は珍しく大河ドラマを見続けていますが、ますます面白くなってきました。
ドラマを見始めた1月頃から、吉田松陰に興味を持ちました。そして彼に関する小説や彼自身の著作等、いくつか読了しています。そしてどうしても読みたかった著作を、昨晩読了しました。
『留魂録』吉田松陰 著 現代語訳・解説 城島明彦 という本です。
この作品は吉田松陰の遺書です。安政の大獄により投獄されて、死刑が決まってから獄中でひそかに書かれたもので、2部作成されています。1部は松下村塾の塾生に渡るよう手配し、もう1部は塾生の手に渡される途中に幕府に没収された時に備え、獄舎の牢名主に預けられていたという珍しい本です。
塾生には無事に届けられ、久坂玄瑞や高杉晋作等に写本されて読まれています。ただ明治維新のドタバタで、その完全な写本は失われてしまったとのこと。ところが当時の牢名主であった沼崎吉五郎により、明治になって約束通り長州出身の人物に手渡されています。そのあたりのいきさつは、なかなか面白いですよ。
当然ながら原文はとても読みづらいので、わかりやすい訳文を探していたところ、この本を図書館で借りました。とても読みやすく、吉田松陰の弟子に対する思いが伝わって来る内容でした。そのなかで、彼の死生観を表現している文章があります。現代語訳で抜粋します。
以下抜粋〜
どうして悲しむことなどあろうか。
なぜなら、人の寿命というものは、まちまちであって、稲が四季をめぐるのとは違うからである。
十歳で死ぬ者は十歳という歳月のなかで春夏秋冬を経験し、二十歳で死んでゆく者は春夏秋冬を二十回経験する。
三十歳で死んでゆく者には、三十回の春夏秋冬が訪れる。
五十歳、百歳の者には、それぞれ五十回、百回の春夏秋冬が巡りくる。
ただ、それだけのことなのだ。
だから、十歳で死んだから短いというのは、七日の寿命しかない蝉を八百年も生きているといわれている霊木の椿と比べるのと同じようなものなのだ。
その逆で、百歳を長生きということは、椿を蝉の尺度で測ろうとするようなものといえる。
〜以上抜粋
とても好きな文章です。人生というのは長さではなく、どのように生きたかという質であることを言っています。百歳まで生きたとしても、ただ漫然と時を過ごしているだけでは、生きているとは言えない。限られた自分の時間を、どのように使うべきかを問うている文章です。
私は吉田松陰という人物に関する書物を読むたびに、古代ギリシャのソクラテスが頭に浮かびます。生きた時代も場所も違いますが、生と死に関して二人は同じ哲学を持っているように思います。天寿とは何か。そしてそれを全うするとは、どういうことか。二人はそれを弟子たちに説いていたのでしょう。
さて、この本で吉田松陰の探索は一応終了です。私の次の興味は高杉晋作に移行しました。この魅力的な人物を、徹底的に追及してみようと思います。とりあえず取っ掛かりとして、高杉晋作について書かれた小説を図書館で予約しました。大河ドラマも佳境を迎えますので、今年いっぱいは高杉晋作の追っかけをするつもりです!
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