今日の言葉 10月2日
『時間を超越した状態』
私たちが時間について話し合っている時、それは物理的な時間、腕時計の針が進む時間のことではありません。このような時間は実在します。間違いなく存在します。バスに間に合いたければ、電車に乗りたければ、次の日の約束に間に合いたければ、物理的な時間を持たなければなりません。しかし心理的に明日は存在するのでしょうか? すなわち、精神的な時間は存在するのでしょうか?
一人間として、自分の生き方、考え方、感じ方、そして行動に抜本的な大変革をもたらすことがおそろしく必要である、と私は自分で考える。そこで自分にこう言う。「これには時間がかかる。明日には、あるいは一ヶ月以内には自分は変わる」と。こういう時間のことを、私たちは話しているのです。すなわち時間、つまり明日とか未来という心理的構造について話しているのであり、私たちはそのような時間の中で過ごしています。
思考、すなわちあなたであり、あらゆる記憶や条件づけ、観念、希望や絶望を持ち、存在にまつわる全くの孤独感を抱える思考——こういった諸々は、全てこの時間です。そして、時間を超越した状態——そこでは時間が停止しています——を理解するためには、私たちはあらゆる経験、すなわち時間であるものから精神がすっかり自由になれるかどうかを調べなくてはなりません。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜