メチャ気になる Vol.46
今年になって芸能界やスポーツ界で、しくじった人に対するバッシングが続いています。スポーツ選手に関しては、賭博がらみの問題が表面化しています。様々記事がネットで流れていますが、興味深い記事を見つけました。
バトミントンのオリンピック候補だった選手が、違法カジノに手を出して五輪への出場を取り消されました。それに関する尾木ママが述べている意見に対し、反論されている記事です。この反論に対して一切興味はありません。人の意見はそれぞれですから。
ただしこの記事のなかで、興味ぶかい文章を発見しました。
『アスリートとギャンブルの関係については、諸外国では親和性があるものと理解され、調査研究や啓発がなされています』と書かれています。
つまりスポーツ選手はギャンブルに注意するべきだ、ということです。
これは今回のバトミントン選手の出来事だけではなく、プロ野球選手の賭博問題の時にも私が感じていたことです。スポーツ選手、とくに一流の技量を極めた人たちはギャンブルにハマりやすい、ということです。
本質的に勝負に賭ける意気込みが強い人たちだと思うのです。私も競泳をやっていたからわかります。自分の限界に挑戦しながら常に誰かと競い合ったり、勝ち負けをめぐって駆け引きします。何かを投じることで、そこから勝利を得ようとします。
プロ野球を例にすればよくわかります。９回の裏で３点差で負けているとします。ツーアウト満塁で攻撃側の４番バッターが打席に立ちました。ホームランが出れば逆転サヨナラです。見ている観客だけではなく、打席に立っている選手の血はたぎっているでしょう。ここが勝負だ、と自分を鼓舞しているはずです。この感覚は、ギャンブルで勝利することと似ていると思うのです。
『NCAA（全米大学体育協会、National Collegiate Athletic Association）は、アスリートは、スポーツ賭博にのめり込む傾向があると調査の結果を公表し合法・違法に関わらずスポーツ賭博に反対する声明を出しています』とのこと。そして声明を出すだけではなく、ギャンブル障害について予防の研究を進め、何らかの対策を講じているようです。
ところが日本の対応は大きく違います。ギャンブルに手を出した選手が悪い、根性がたるんでいる、と言わんばかりに、選手生命を絶つような処分を下します。でもその選手を育成したバトミントン協会等の幹部は知らん顔。もしアメリカのような事実を把握していたら、何らかの対策を事前に取ることができたはずです。スポーツ選手がそういうものだ、ということを認識するのが嫌なのでしょうか？
プロ野球のジャイアンツに関しては、幹部も辞任等の責任を取っただけマシかな。バトミントン選手の件に関しては、失敗を犯してしまった若い選手の未来を封じただけです。もちろん違法カジノはまずい。暴力団に資金が流れますからね。厳しい処分は仕方ないでしょう。
でも育成者として何をなすべきかを、今回の出来事で考えるきっかけにするべきだと思います。プロ野球の他球団でも、金銭のやり取りが報告されています。人間は賭け事が好きな動物なのです。とくに勝負の世界に生きているスポーツ選手は、その傾向が一般人より強い。そうした事実に目を背けず、真剣に向き合うことが、今回のような残念な出来事を防ぐことになると感じています。
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