戦慄のエンディング
午前中は少し雨が降りました。でも午後からは一気に晴れてきました。
今の時期どこを歩いていても、紫陽花を見ない日はありません。昨日撮影したこの紫陽花も、本当に綺麗でした。紫陽花たちにとって6月は、我が世の春なのでしょう。
今日は6月9日で、「ロックの日」です。ということで、今日の午後の休憩は、デヴィッド・ボウイを聞いて過ごしました。今夜眠る前も、ロックを選曲しようと思っています。
現在書いている短編小説は、なんとか明日にはエンディングを迎えそうです。自分が決めた締め切りまで残り10日ほどですが、全力で推敲していくつもりです。
エンディングといえば、昨日は戦慄するラストが用意されている小説を読了しました。その上手さと恐ろしさに感動して、マジで唸りました。
『告白』湊かなえ 著という本です。
先日山本周五郎賞を受賞された湊さんのデビュー作です。今では名実ともにベストセラー作家と言っていいでしょうが、この作品を書かれたときは新人です。そんな事実がぶっ飛んでしまうほど、ベテラン作家のような素晴らしい作品でした。
『告白』というタイトルが示すとおり、6つの告白文で構成されてます。いきなり1つ目からその迫力に圧倒されます。ほとんど改行されない文章が続き、語り手の切羽詰まる気持ちが伝わってきました。
最初の告白は女性教師です。自分の4歳の娘を事故で亡くしています。シングルマザーなので学校に連れてきているあいだ、プールに落ちて水死したという事故でした。ところがそれは殺人事件で、犯人は彼女が担任しているクラスの二人の男子生徒です。
警察に話したところで、少年法の壁があります。教師は退職するにあたってあることを計画します。それはその二人に対するメッセージとなります。AとBとして名前を明かしませんんでしたが、クラスメイトには誰にことなのかすぐにわかります。教師の仕掛けは、二人の命に関わるものでした。
2つ目の告白は同じクラスの女子生徒の手紙です。3つ目はBの母親の日記。4つ目はBの回想文。5つ目はAの遺書。そして6つ目は自殺に失敗したAにかかってきた女性教師の電話という構成になっています。
読んだことがない方のために、内容は伏せておきます。初めて読んだ時の驚きを感じていただきたいからです。とにかくものすごい小説でした。
少年法。いじめ問題。児童虐待。ネットでの中傷や情報拡散。そうした社会問題が実例をもって取り上げられています。中学生に自分の娘を殺された母親がどのように復習するのか?
最後の電話のなかで教師は言います。あなたを殺しても娘は戻ってこないし、私の怒りが消えることもない。あなたに復讐するためには、私と同じ気持ちを味わってもらうしかない。
この言葉の意味するとおりに仕掛けが実行されます。女性教師は自分の手を汚すことなく、復讐を遂げます。戦慄のエンディングです。気になる方は是非読んでみてください。湊かなえさんは本当にすごい。まだ3つしか作品を読んでいませんが、さらに追いかけていこうと思っています。
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