高羽そら｜たかはそら（作家、小説家）オフィシャルブログ

わたしが期待している政策にベーシック・インカムがあります。世界的に注目されつつありますが、いいニュースが飛び込んできました。

月6万円強の最低所得保障、フィンランドが試験導入へ

フィンランドが無作為に選んだ2,000人を対象にして、月額560ユーロ（約64,000円）の支給を決定したようです。試験的に導入することで、今後の展開を見極めていこうという計画です。最初のステップとしては、素晴らしい方法だと思います。

先行していたスイスでは、今年の６月に国民投票が実施されました。ところが反対多数で否決されています。そのやり方が、ちょっと無茶だと感じました。成人国民のすべてに月額2,500スイスフラン（約26万円）を支給するという法案です。金額的に常識外れだと思います。

さらにスイス国民が懸念したのは、移民の流入です。不況が続いているヨーロッパ諸国の人たちにとって、スイス国籍があるだけで毎月26万円が支給されます。もともとが計画性のない無謀な提案だったと思います。

ベーシック・インカムが導入されることによって、様々な効果が期待できます。ホームレスが大幅に減少するでしょうし、強盗や空き巣の犯罪も少なくなるはずです。小さな子供を抱えたシングルの人にとっても、生活費を稼ぐというストレスから解放されるでしょう。

当然ながら年金制度が廃止されることになります。でも現在のように複雑な仕組みで運営され、さらに資金不足に悩むくらいなら、制度を解体してシンプルにする方が効率的です。長い目で見れば、公的機関の負担を減らすことになると思います。

AI等の進化によって、人間は職業を奪われていきます。試験的なサービスですが、自動運転のタクシーがシンガポールでスタートしたというニュースが25日に世界を駆け抜けています。タクシー運転手という職業は確実に消えていきます。それが現実なのです。

工場の作業はロボットに取って代わられるでしょうし、弁護士がやっている法律相談等もAIが代行できる時代です。だからこそベーシック・インカムが必要となってくるのです。生活のために働くという概念が、少しずつ消えていくと思います。

もちろんベーシック・インカムで支給される金額は、ある程度抑えるべきでしょう。贅沢をしなければなんとか暮らしていけるレベルでないと、国家の財政にも影響します。スイスのように月額26万円というのは現実的ではありません。

もっと稼ぎたいと思う人は、自ら仕事を探して働くでしょう。起業する人も増えるはずです。ベーッシク・インカムで最低限の収入が保障されても、ギャンブルで使い果たしてしまう人は相変わらず存在するでしょう。でも大多数の人は、自分が本当にやりたいことに時間を費やせるはずです。

とにかく実際にやってみないと、どのような影響が出るかを知ることはできません。試験的であっても、一歩前に踏み出した今回のフィンランドの決定に拍手を送りたい気持ちです。日本でもやるべきです。移民を実質的に受け入れていない日本ですから、効果を実感しやすいと思うのですが。

『働かざるもの、食うべからず』という言葉を、いまだに信じ込んでいる人がいます。日本人は特にその傾向が強いかもしれません。それは昭和の高度経済成長時代の話ですね。時代は確実に変化しています。新しいパラダイムを受け入れていかないと、ますます現代社会が生きにくい場所になっていくと思います。

最新刊の『永遠なる玉響　上巻』はBOOK☆WALKERのみでの販売です。こちらから購入できます。

『ゼロの物語』３部作は電子書籍のみの販売となりますので、こちらのホームページから販売サイトに行ってくださいね。

 『STORY OF ZERO   BOOK Ⅰ 〜ENCOUNTER〜』は全世界のAmazonで配信中です。日本のAmazonはこちらです。

『夢で会える　体外離脱入門』は在庫僅少ですので、お求めの方はハート出版さんや書店に問い合わせてください。Amazonでの注文はこちらです。