SOLA TODAY Vol.738
権威者の発言によって、ボクらの動向は大きく左右される。そしてその動向を後追いするかのように、メーカーが商品を開発する。
ところが別の権威者が正反対の意見を述べると、市場は大混乱になりかねない。
パソコンやスマホを頻繁に使う人にとって気になるのが、機器から発しているブルーライト。
ある研究者によって、ブルーライトは失明するという研究報告がなされた。もともと目に良くないと見なされていて、メガネ店ではブルーライトカットの商品が大きく宣伝されてきた。
ボクも今のメガネを作るときに少し悩んだけれど、結局はブルーライトカットのレンズにしなかった。だけど失明するなんて言い出されれたら、さすがに気になる。
ところが失明なんてしない、と米国の眼科学会が明確に宣言した。失明どころか、ブルーライトには視力を低下させる要素もないと明言している。だからブルーライトカットのメガネを推奨しないとまで述べている。むしろ効果が明らかではないので、そのメガネの副作用が懸念されるとのこと。
ブルーライトが失明すると発表した研究者は、極端な光をラットに当てて実験したらしい。つまり人間の目の細胞では検証していない。そこが大きな問題になっている。
この記事では詳しく書かれていないけれど、人間の目にはブルーライトのダメージを防ぐ能力が備わっているとのこと。だから失明も視力の低下もいっさい問題ない。眼科の専門家がそう断言している。
ただしブルーライトは睡眠の質を低下させるし、ドライアイになる可能性が高いので、長時間の使用は推奨しないとのこと。眠る前に暗い部屋でスマホを見るのが良くないのは、そういうことだろうね。
結局どちらの意見を信用するかは、その人次第だろう。失明すると言った研究者が対抗する結果を発表できなければ、影響が無いということで定着するだろう。でも反論材料をそろえてきたらどうなるかわからない。
今の雰囲気だと、ブルーライトが視力に影響を与えないことが定説になるような気がする。それは毎日何時間も使っているボクの感覚とも合致する。
だけどメガネ業界は頭を抱えているだろうね。ブルーライトカットのレンズが売れなくなるかも。業界としては、ブルーライトを悪者にするほうが営業しやすいはず。まぁ、別の悪役をすぐに探すだろうけれどね。
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