言葉が持つイメージに要注意
言葉という媒体は、強烈なパワーを持っている。ある言葉を耳にするだけで、いい気分になったり、気分が悪くなったりする。自分がそんな状況でもないのに、言葉が持つイメージに影響されてしまうことがある。
だからこそ慎重に言葉を使うべきだし、その言葉が持つ意味を理解する必要がある。簡単にいえばそうなるけれど、これほど難しいことはない。植え付けられたイメージが先行するので、その影響を払拭するのはかなりの努力が必要になる。
『加工食品』という言葉を聞いて、どんなイメージを持つだろう?
ボクが頭に浮かんだのはレトルト食品や冷凍食品。つまり普段のボクがほとんど食べないものであり、基本的にいいイメージを持っていない食品。ところがある記事を読んで、『加工食品』という言葉のイメージに影響されていることを痛感した。
「加工された食品」が体によくないなら、合成肉はどうなる? 加工食品について真剣に考えてみた
とても面白い記事だった。『加工食品』という言葉に関して、ボクが抱いていたイメージを刷新されたような気がする。どうしても人工的に工場で作られた食品というイメージを持ちやすい。だけどこの記事で紹介されている『加工食品』の定義を読むと、あぁ、そうか、と納得できた。
「洗う、粉にする、混ぜる、冷やす、貯蔵する、熱する、凍らせる、漉す、発酵させる、抽出する、成形する、遠心分離する、炒める、乾燥させる、濃縮する、加圧する、放射線を照射する、電子レンジにかける、容器に入れる、といったさまざまな工程のひとつまたは複数を施すこと」
これを読んで笑えてきた。要するに人間が食べている食品は、ほぼ『加工食品』だということ。パンやご飯だって同じ。自然にできた果実をそのまま食べたり、捕まえた魚を丸呑みするのでなければ、加工食品を食べないと明言できない。
チーズやヨーグルト、味噌や醤油だって、立派な加工食品だよね。つまり大切なのは加工されているかどうかではなく、何が使われているか、どのように加工されているかということ。
だけどメディアの影響があって、『加工食品』=『悪』みたいなイメージを刷り込まれている。そんなステレオタイプのイメージで判断するのではなく、事実をありのままに見る姿勢が大切だということ。
同じ食品だって、アレルギーや持病のある人によっては食べることができない。大豆アレルギーのある人がヴィーガン生活をしたくて加工肉を食べたいと思っても、大豆を使っている限り無理。ちがう材料を使った加工食品を食べるしかない。
ネットで多くの情報を浴びていると、言葉が持つイメージで先入観を持ち、適切な理解を阻害していることが多いと思う。本当の意味の読解力とは、幼い子供が初めて言葉を知るような気持ちで読むことなんだと思った。
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