監視社会になるんだろうなぁ
ここのところずっと気になっているのが、ネットにおける他人を批判する投稿。自粛要請が全国的に出ていることで、フラフラと出歩いている人に罵声を浴びかける人が増えている。
たしかに無自覚だと思う人は多いし、協力的でない態度にイラッとすることはある。だけど赤の他人に文句を言っても自分がしんどいだけなんだけれどね。それが過激になると、あえて『密』になっているように見せかける写真までアップする人が出てきた。
人間の目で見たら十分に間隔をとって歩いている商店街の人たちを、カメラの設定によってはびっしりと重なっているように撮影できるそう。それを実際にやっている人を撮影した写真まで投稿されていた。
カメラを使った印象操作もひどいけれど、そんな人も批判の対象になるからエンドレス。他人を監視しようとする変な空気が社会全体を満たしているような気がする。
特に海外はその傾向が強い。ロシアでは通行証がないと買い物さえ出かけられない。ヨーロッパでも不要な外出に対しては罰金が科せられる。誰かが抜け駆けしないか一般人でさえ目を光らせているから、公的機関が何もしないはずがない。実際にこんなことが起きている。
旅行写真をFacebookに投稿したら罰金35万円。実はその写真…
これはオーストラリアの出来事。ある人がFacebookに写真を投稿した。近所の観光地で撮影したもの。その直後、警察が自宅までやってきて、外出禁止違反だとして35万円の罰金を言い渡されたとのこと。
ところがその写真は昨年の6月に撮影したもの。なぜそんな古い写真をいまごろになって投稿したのかわからないけれど、警察に事情を説明してようやく罰金は免れたらしい。だけどFacebookに写真を投稿しないよう警察に警告された。
この出来事の怖さは、罰金を請求されたことじゃない。警察等の公的機関がSNSを監視しているということ。オーストラリアでさえこんな状態だから、中国やロシアのような人権問題に前科があるような国家は推して知るべしだろう。個人の行動を徹底的に監視されていると思ったほうがいい。
罰金のない日本でさえ、他人の行動を指摘する人が後を絶たない。戦時中における公安への密告と同じ匂いを感じる。ましてや罰金や懲役刑を科しているような国なら、想像を絶するような監視がなされているはず。
新型コロナウイルスによって、国家としては国民を監視する大義名分ができたということ。なんとなく躊躇していた国家でも、ウイルスの感染ルートの追跡や感染拡大防止を理由として、個人の行動を逐一監視する理由ができた。だからこの機会に表立って監視システムを導入する政府が増えるだろうと思う。
まぁ考えようによっては、密かに監視されるよりマシだと思うしかない。街中に防犯カメラが設置されているロンドンのように、常に他人の目があることを意識するべき時代なんだろう。ただそうしたシステムを悪用した冤罪だけは、絶対に起きないで欲しいと思う。
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