お盆はやっぱりホラーだね
さすがお盆。今日の神戸も強烈に暑い。いまのところ最高気温は34.9度で、かろうじて猛暑日を免れている。(ところが、ブログアップ後に35.5度まで上がった)
そんなお盆の暑さを吹っ飛ばすにはホラーが一番。ということで初見のホラー映画を観た。
『アス』という2019年のアメリカ映画。ちょっと変わった映画で、途中まで状況をつかめなかった。襲いかかってくるのが幽霊なのか、はたまた人間なのかわからない。だけどホラーとしての演出は完璧で、かなり上質の恐怖を体験できた。
主人公のアデレードは、幼いころにサンタクルーズの遊園地で迷子になる。そしてミラーハウスに迷い込んだとき、鏡の向こうに自分とそっくりの少女を見てしまう。すぐに保護されたが、しばらくは言葉が話せないほどのPTSDを発症した。
そして映画の舞台はアデレードが成人してからの物語に変わる。夫と二人の子供と一緒に別荘へやって来た。そこそこお金持ちの暮らしをしている。友人夫婦と一緒に過ごすため、アデレード一家はサンタクルーズに行くことになった。
アデレードは幼いころのことを思い出して最初は拒絶するが、仕方なくあの遊園地があった海岸へ行く。長男が迷子になるという出来事はあったが、その日は何事もなく別荘に戻った。ところがその夜になって恐ろしいことが起きる。
家族に瓜二つの4人が別荘に現れて、アデレードたちに襲いかかってきた。殺害することが目的。警察に電話をするけれど、まったく警察は来てくれない。なぜなら同じことがこの街全体で起きていたから。友人夫婦の一家も皆殺しにされ、すでによく似た別人に別荘を乗っ取られていた。
まだ昨年の映画なので、ネタバレはこれくらいにしておこう。ヒントだけ言うと、襲いかかってきたのは幽霊じゃない。ソンビでもないので殺しても起き上がってきたりしない。とにかく自分の分身が居場所を探知して、執拗に襲いかかってくる。助かる道は、その分身を殺すしかない。
ホラー映画として観た場合、ボクとしてはツッコミどころだらけだった。たとえば襲いかかってくる連中の武器はハサミで、対抗する人間もバットや鉄の棒。つまりこの映画では一度も銃が発砲されない。もしかしたら脚本を書いた監督は、銃が嫌いなのかもねwww
ただし人種差別や、マイノリティに対する抑圧というテーマとしてこの映画を観ると、その印象は大きく変わる。ホラーというジャンルを利用しているだけで、人間の心に潜む闇の深さを見事にとらえている作品だと思う。どんな人間にも心に闇があり、自分の分身に向き合うことがあるはず。そういう意味では優れた作品だと思う。
そしてボクが気に入ったのはラスト近くで明かされるアデレードの秘密。途中で想像はついたけれど、さすがにぶったまげた。ここからすべてが始まっているといってもいいほどのショックだった。後半にはちょっとエグいシーンも多いけれど、暑さを吹っ飛ばすホラー映画としては十分に楽しめると思うよ。
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