依存症から抜けるきっかけ
苦手なことを始めるには、気持ちだけではなかなか難しい。どんなことでもいいから、背中を押してもらえるようなきっかけが欲しい。
たとえばボクのように病院が嫌いな人間が体調不良を感じたとしよう。ちょっとヤバい雰囲気だけれど、このまま治ったら、と根拠のない期待を持ってしまう。ところが明後日の病院が休診だと知ったとき、翌日の診察を逃せばさらに2日の辛抱が課せられる。そんなことでも翌日に病院へ向かうきっかけになる。
ましてや依存症のようなヤバいものがあって、いまなら抜け出せると感じていたとしよう。だけど人間というのは弱い生き物で、そう簡単にはいかない。そんなとき、ちょっとしたきっかけで依存から抜け出せるかもしれないい。ある映画を観て、そんなことを感じた。
『ワイルドカード』という2015年のアメリカ映画。写真のジェイソン・ステイサムが主演しているというだけで、派手なアクション映画だとわかる。予備知識なしで観たけれど、これがなかなか面白い作品だった。
ジェイソン・ステイサム演じるニックは、元特殊部隊のエリート兵士。だけどいまは落ちぶれて、ラスベガスで用心棒を仕事にしている。付添人という形で、カジノで遊ぶ人を守るという仕事。
ある日、サイラスという童顔の男性の付添人を引き受ける。若くしてITで成功した起業家だけれど、胆力のない自分を嫌っていた。だからニックのような強い男に学びたいのがラスベガスに来た目的だった。
ところが元恋人のホリーが、ラスベガスにやってきた若いマフィアのダニーという男にレイプされる。復讐をしたいモリーは、ニックにその男たちの居場所を探るように依頼する。だが困ったことに、ダニーはラスベガスを仕切っているベイビーというマフィアのボスの知り合いだった。
それでもニックはモリーのためにダニーを見つけ、復讐のお膳立てを整える。そしてモリーがダニーを痛めつけて復讐を果たしたことで、彼女をラスベガスから逃す。そして自分も以前から離れたいと思っていたラスベガスから出る覚悟をする。
そのための資金稼ぎにカジノで賭けたことで大勝ちする。実のところニックはギャンブル依存症で、それゆえラスベガスから離れらないという事情があった。だから一時は50万ドルという大金を稼いだのに、まだ足りないと感じてギャンブルを続ける。結局はラスベガスを離れない理由がほしかっただけ。
最終的に一文無しになったニックは、煮湯を飲まされたダニーに攻撃される。ところがとにかくニックは強い。相手を殺すのに銃なんていらない。クレジットカード一枚あれば相手の命を奪うことができる。
だけどマフィアと問題を起こしたことで、ラスベガスを出るしかない。そんなニックを救ったのが、若い大金持ちのサイラス。ニックがダニーたちに襲われそうになったとき、機転をきかして彼を救ったのサイラスだった。
自分の胆力に自信をもてたサイラスは、ニックに逃亡資金を報酬として渡す。それでギャンブル依存症のニックは、ようやくラスベガスを離れるというシーンで終わる。シンプルなストーリーなんだけれど、物語のテーマが明確なのでとても面白かった。
強いていえば、ニックがギャンブル依存症になった経緯がわかればベストかな。ただニックのアクションシーンを見ているだけで十分に楽しかった。とにかく強い。敵が何人いても負ける気がしない。ちょっとやり過ぎな気もするけれど、かなりスカッとするアクション映画だった。
ちなみにマフィアのボス役を演じたスタンリー・トゥッチは、短い出演時間だけれど存在感があった。それだけでなく彼に髪の毛もあった!!! ハゲ頭の彼が好きだけれど、カツラ姿も違和感なくて似合ってたなぁwww
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