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高羽そらさんインタビュー

ガストンとの対話 Vol.57

ガストンさん、今日は「愛の量」について対話してください。昨晩ふと考えてしまって、答えが出なくなったのです。

「愛の量とは、また不可思議なことを言うやつだな」

例えばですね、一生涯のうち1匹の猫を大切に飼った人がいたとします。そして同じく5匹の猫を大切に飼った人を想像してください。もしそれぞれの猫に対して同じだけの愛情を注いだ場合、後者の人は5倍の「愛の量」を実践した人と言えるのでしょうか?

「なるほど。人間らしい発想だな。その考え方を持てば、答えが出ないのは当然だ」

おっしゃる通りです。より愛の量が多い人生を送ろうと思うと、その限界に呆然としてしまいます。たった1匹の猫を救うことはできても、世界中のノラ猫を飼ってやることはできません。それでも注ぐ愛の質が同じなら、その回数が多いほど「愛の量」が増えるのではと感じます。

「数式に当てはめて考えれば、それしか答えが出ないであろう。お前さんが言う愛の量を増やそうとすれば、回数を重ねるか質を上げるしかない。だがそうではないと思っているのであろう?」

はい。明確な理由はわかりませんが、何かが違うと感じています。

「まず最初に大切なことを言っておこう。このことに関して、言葉で説明するのは無理だ。どれだけ文字を重ねても、その真意を記すことはできない。だがあえて、お前さんが考えるヒントをやろう。その先は自分の人生を通じて、答えを見つければよい」

はい、わかりました。

「まず結論から言おう。先ほどの猫を飼った人間の例で言えば、両者は全く同じだ。愛において何も違いがない。では一度も猫を飼ったことのない人間なら違いがあるであろうか? それも同じだ。では人を殺した人間なら違いがあるであろうか? いや、それも同じだ」

えっ……。まったく意味がわかりません。

「そもそもお前さんの発想は、スタートからコースを外れておる。愛というものを、何か手に取って見ることのできる、あるいは計量できるものだと信じることは、多くの人間が抱えている思い込みだ。その思い込みで愛を分離して数式に当てはめると、思考は先ほどの袋小路に行き当たってしまう」

ではどのような人生を歩んだ人でも、その愛の量を測ることはできないということですか? ではどれだけ自分勝手に生きようが、何も問題がないということですか?

「まだ考え違いをしているようだな。お前さんが見ているこの現実世界は、何からできていると思っているのだ!木工細工でどれだけ精巧に植物や動物を作ったとしても、それが「木」であることに違いないであろう。では「愛」で作られたものが、「愛」でないことなどあり得ると思うのか?」

この現実世界は、「愛」だけで創造されていると……。

「どのように生きようが「愛」で作られたものが、「愛」以外になることはできない。全てが「愛」であるのに、その量を比較することに意味があると思うか? どのような生き方をしようとも、「愛」であることにかわりはない。悪魔など存在しないのだよ。それは人間の想像でしかない」

ではなぜ、多くの命を救おうとする人や、反対に多くの人の命を奪おうとする人がいるのでしょうか?

「それは気づきの違いだ。愛の量の違いではない。その気づきの度合いによって行動が違うだけだ。自分が何から作られているのか忘れれば忘れるほど、自分本来の性質と違った生き方をすることになる。それが人生における苦悩と呼ばれているものだよ」

う〜ん、あなたが言われた通り、言葉だけで理解できることではないですね。人間の生き様を通して、理解すべきものだと感じました。

「わはは、だからそれを伝えるために、物語というものが存在するのではないのかね?」

えぇ、わかっています。私の次の物語のテーマは、この「愛の量」についてです。この対話をその物語に活かしていきたいと思います。

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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