今日の言葉 10月19日
『拠り所や天国を持たない精神』
あなたには新たな精神、時間の制約を受けない精神、もはや時空間という観点から考えない精神、限界を持たない精神、拠り所や天国を持たない精神が必要です。永遠なるものに取り組むためにだけでなく、身近な生活の問題に取り組むためにも、このような精神は必要なのです。
そこで、次のことが論点になります。すなわち、私たち一人一人にとって、このような精神を持つことは可能であるか?ということです。徐々に、ではありませんよ。またそのような精神を養う、と言っているのでもありません。なぜなら、修養、進歩、プロセスには必ず時間が伴うからです。しかしそれは即座に起らねばなりません。時間を超越した性質という意味で、今、変容は起らねばならないのです。
そこでです、このような精神を持つことは可能でしょうか? 成果としてではなく、ゴールとしてでもなく、狙ったものとしてでもなく、到達すべきものとしてでもなく、です。なぜならこういった諸々は全て、必ず時間と空間を伴うからです。
進歩するための、到達するための、達成するための、真理に近づくための時間が存在するという、とても都合がよくて真(まこと)しやかな理論が、私たちにはあります。しかしそれは誤った考えです。全くの幻覚です。そういう意味では時間は錯覚なのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜