SOLA TODAY Vol.38
議論というのは平行線になってしまえば時間の無駄です。でもいい塩梅で議論の応酬が進むと、より真実に近づいていくと思います。そういう意味では、どんどん真剣にケンカするべきです。もっとやれ!と応援したくなるケンカがあります。
「受動喫煙と肺がんに関するJTの反論」を国立がん研究センターが完全論破
このケンカの当事者は国立がん研究センターと日本たばこ産業(JT)です。受動喫煙は世界的に肺がんの要因であると公式に宣言されています。最近はそうした影響もあって公共機関では喫煙が禁止されています。レストランでは全面禁煙が増えました。カフェでも喫煙ブースが設けられていて、明らかに隔離されています。
そんな日本でも、受動喫煙による日本人の肺がんリスクは『ほぼ確実』という曖昧な表現でした。ところが国立がん研究センターが2016年8月30日に、『ほぼ確実』から『確実』に変更する論文を発表しました。当然その根拠が示されています。それは世界的にも当然という内容でした。
ところがその発表に噛み付いた組織があります。JTですね。ただでさえ喫煙者が減っている昨今です。これ以上受動喫煙の危険性を強調されたら、商売あがったりですものね。そこでJTが反論を開始しました。ケンカの始まりです。
詳しい内容はリンクした記事を読んでみてください。専門的な内容ですが、その意味するところは理解できると思います。国立がん研究センターの論拠に対する矛盾点を引っ張り出し、『確実』とした根拠があいまいであることを指摘します。
そうなると国立がん研究センターも黙っていません。その反論に対して徹底的に戦いを挑みました。いかにJTよりの意見であるかを詳細に語り、『完全論破』という状態に持ち込みました。わたしも記事を読みましたが、JTにしてみれば。ぐうの音も出ないという現状です。
これこそ議論の見本ですね。一方が矛盾点をつくことで、もう一方が反論を展開する。そうすることによって、より真実が明らかになります。今の段階では受動喫煙を規制するべきであることは明確です。わたしも20歳まではタバコを吸っていましたが、成人になってやめています。今では散歩中にくわえタバコの人が吐き出す煙の香りを感じると、不快感を覚えてしまいます。
さてJTはどうするのでしょうか? このままでは負けを認めることになります。なんとか反論しようと必死で検討をしている最中かもしれません。わたしにしてみれば、もっと深く内容を掘り下げてケンカを続けてほしいです。そうすれば様々なことが明らかになってくると思います。
世の中には不透明なことがたくさんあります。でもこのケンカのように、うまく議論に持ち込むことで真実に近づいていくことができると思います。もうすぐアメリカの大統領選挙です。クリントンさんとトランプさんの議論が、世界にとって望むべき方向へ進むことを願っています。いい意味で、もっとケンカをしてほしいですね。
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