SOLA TODAY Vol.735
無知は他人の心を傷つける。
自戒の念を込めて、無知の怖さを感じる記事を紹介しよう。
「聴覚情報処理障害」という病気があるらしい。ボクは初めて知った。
聴力に問題はないので、音はきちんと聴こえている。だけど相手の言葉の意味が理解できない。そういえば視覚でも同じような病気があったはず。文字を見ても、文章として理解できないというもの。
他人が話した言葉を、脳で文字として変換できないそう。だから症状が悪化すると、他人とのコミュニケーションに問題が出る。上司から指示をされても理解できないし、接客業なら客の注文を聞き取れない。
聴こえているのに理解できないと判断されてしまったら、「頭が悪い」と決めつけられてしまうだろう。逆にこういう病気を知らないと、「あいつは何度言ってもわからんやつだ」と非難してしまうかもしれない。
原因は様々らしく、その人によってちがうらしい。代表的な原因が記事に記されている。
▽聴力に関係する脳の一部に障害を受けたことがある
▽幼児期に中耳炎に長期間かかったことがある
▽睡眠がうまく取れていない
▽発達障害の傾向がある
これらが要因となって、それまで普通だったのに急に発症することもあるそう。その引き金になるのはストレスとのこと。
このような病気があることを、もっと世間に伝えて欲しいと思う。病気だと知らず自分は能力がないと落ち込んでいる人を助けられるだろうし、周囲の人の理解も得られると思う。
精神医学や脳科学が進歩することで、これまで個人の能力の欠如だと思われていたようなことが、治療可能な病気として明らかになることが増えている。ただ一般の人がその事実を知ることがなければ、従来の偏見が払拭されることはないだろう。
そのためにも啓蒙活動を活発にして欲しいと願う。そしてボクたち人間は、無知であることを自覚するべきだろう。たかだか半世紀ほどの知識しかないのに、全てを理解しているなんて思わないほうがいい。
この世界には知らないことが無限大にあることを、年齢を重ねるほど自覚するべきだと感じた。
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