我慢できない人に読んでほしい
昨日、ある記事を読んで開いた口がふさがらなかった。
渋谷、銀座、新宿という繁華街は自粛要請によって人通りが激減している。だけど都心から離れた吉祥寺では、先週と変わらない大勢の人が商店街へやってきたとのこと。写真を見て唖然とした。どう見ても不要不急の外出に見えない。
なぜこんな危機感のない行動ができるのだろう? いまはスマートフォンで人の動きが把握できる。それによると都会ではおおむね自粛要請が守られているのに、少し郊外に行くだけで人が密集している。
散歩をする程度ならまだしも、ある公園では大勢の人がブルーシートを引いて談笑している写真があった。それを見ていたら、全員を殺人未遂で逮捕したい気分になった。我が家の近所でも、マスクをせずに公園ではしゃいでいる子供たちがいる。
適度な運動は必要だろうけれど、ボール遊びをしていたら接触は避けられない。その子供が重症化しなくても、そこから祖父母が感染する可能性もある。重傷者がひとり増えることで、ICUがひとつふさがる。そのことで助けられる命が奪われてしまう。子供の遊びだと言って、マスクなしで外に出す親の感覚は完全に麻痺している。
そんな我慢できない人、そして甘く考えている人に読んでほしい記事がある。少し長い文章だけれど、いまの医療現場の事情がリアルにわかる。これを読めば、いまはどれだけ我慢するべきときなのか理解できるはず。
神奈川県医師会が、「不安をあおるメディア」に投げかける疑問 「医療現場の現実を、知ってもらいたいのです」
くわしくはリンク先の記事にゆずる。とにかく現場の医師たちが訴えていることはシンプル。
・三密を避けて外出を我慢すること。
・少しくらい熱が出たからと言って、病院に駆けつけてPCR検査を性急に求めないこと。
・医療現場のことを知らずにコメントしているワイドショーや報道の言動に惑わされないこと。彼らは不安をあおっているだけだから。
これらは医療崩壊を防ぎ、ウイルスを抑えるための基本的なこと。この記事を読めば、ただ退屈だからと言って呑気に商店街を歩くようなことはしないはず。それほど医療現場は追い詰められている。記事の一部を抜粋してみよう。
『もし、自分の知り合いの人がコロナ感染症で亡くなられたらきっと哀しいはずです。そして、亡くなった人にうつしたあなたが、入院せずに軽度ですんでも本当に喜べるでしょうか。不用意に動き回るということは、その可能性を増やしてしまうことなのです。今は我慢する時なのだということを、ぜひ理解してください』
『専門家でもないコメンテーターが、まるでエンターテインメントのように同じような主張を繰り返しているテレビ報道があります。視聴者の不安に寄り添うコメンテーターは、聞いていても視聴者の心情に心地よく響くものです。不安や苛立ちかが多い時こそ、慎重に考えてください』
『今この時も医療関係者は、コロナ感染の恐怖の中で戦っています。戦っている医療機関の医師や看護師や事務職員にも、子供や孫、そして親はいます。その愛する人たちに、うつすかもしれないという恐怖の内で、医療職という使命の中で戦っています。そして自分の子供が、バイキンと言われ、いじめにあうかもしれないという、悲しみとも戦っています』
『もう少し、もう少し我慢して下さい。四週間、何か月いや一年以上になるかもしれません。病と闘って生きていたいと、つらい治療と闘っている患者さんもいます。生きていることだけでも幸せなのだと、ぜひ、ぜひ思ってください。安易に外出して、密集、密閉、密接のところには絶対行かないでください。あなたの行動が、新しい患者さんを作ってしまうかもしれません』
これはほんの一部。でもこのメッセージだけでも、医療現場の壮絶な様子が伝わってくる。公園で遊ぶくらいええやん、と考えていることが、どれほど多くの人を危険にさらしているのか自覚してほしい。運動したければ、他人と会話せずに散歩すればいいだけ。なぜそれができないのだろう?
だけど我慢できない人に限って、こういう記事を読むことはないんだろうな。せめてマスコミは不安をあおるような報道をやめ、本当に伝えるべきことを電波に乗せてほしいと願う。
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