大村あつしオフィシャルブログ

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　さて、ここから第二章です。

　大学を卒業して会社に入ったとき、私は、「わたし」と言うのが苦手でした。「ぼく」と言うのが精一杯の丁寧語で、「わたし」などと口にしようものなら、周囲の目が恥ずかしくて勝手に赤面していたことを思い出します。

　また、顧客との電話で、上司を呼び捨てにするのも苦痛でした。それまでの二十二年間、「年上の人は『さん付け』で呼びなさい」としつけられてきたのですから、それも当然かもしれません。

　さらに言えば、「席を外しています」が言えずに、「今、いません」と答えたりしていたものです。「席を外す」。この響きがどうにもキザに思えたのです。

　あれから二十年以上が経過して、今振り返ると、どうしてそんなことができなかったのかと思いますが、二十二才の私にはそれができなかったのです。しかし、今はそれが当たり前にできます。

　みなさんは、こんな話を聞いたことがありますか。

　生まれたての象を鎖で棒にくくると、まだ力がありませんので、鎖を引っ張ってその棒を地面から引き抜いて逃げ出すことはできません。ところが、そうして飼育されながら成長した象は、立派な体格になって怪力を身に付けても、細い棒を引き抜くことができないというのです。

　なぜなら、幼いときからの習慣と洗脳によって、「自分は棒を引き抜けない」と思い込んでしまっているためです。そのために、行動範囲はいつもその棒の周りだけ。

　もし、昔はできなかったという記憶に縛られて、今もできない、明日もできない、永遠にできないと思い込んでいる人がいるのであれば、それはこの象と同じく、大きな勘違いをしているのではないでしょうか。

　その証拠に、「この数年間、自己研鑽のための努力を何もしなかった」という人でも、学校に入学したとき、社会人になったとき、そんな昔の自分を思い起こせば、当時と今と何も変わっていないという人はいないと思います。

　あんなに嫌だったスーツを今では抵抗なく着ている。あんなに嫌だった会議でのプレゼンが今はさほど苦痛ではない。これらはすべて、れっきとした「進化」です。

　どんな些細なことでも構いません。こうして思い当たることを前向きに拾い上げていくと、五年前、十年前にはできなかったことが、現在はいとも簡単に無意識にできてしまっている。そうした事柄が数多くあることに驚くに違いありません。

　このように、私たちは、知らず知らずのうちに努力し、そして確実に進化しているのです。ましてや、このコラムを読みながら意識的に努力して生まれ変わろうと思っているみなさんが、これからの人生で進化できないはずはないのです。

　私たちは前述の象ではありません。知恵のある人間なのです。もし、「棒が邪魔だな」と思ったら、試しに引き抜いてみてはいかがでしょうか。意外にあっけなく棒が抜けるかもしれません。

　これからこのコラムでは、みなさんが成功を掴み、充実した人生を歩むための「気付き」を数多く紹介しますが、その前に、原点に立ち返って、確実に進化している自分を実感してください。

　イメージできましたか？

　では、ウォーミングアップはこれでおしまいです。

　次のコラムに進みましょう。

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第3章　真二、おそるおそるマクロを実行してみる
第4章　真二、メッセージを表示して感動する
第5章　真二、オブジェクトとメソッドが使えるようになる
第6章　真二、プロパティを覚えてドヤ顔になる
第7章　真二、算術演算子と関数をらくらく使いこなす
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