今日の言葉 1月10日
『学びは経験ではない』
「学び」という言葉には、深い意味があります。学びには二種類あります。私たちの多くにとって、学びは知識、経験、技術、技能、言語の蓄積を意味しています。それから心理(精神)面での学びもあります。それは経験による学び、すなわち何らかの残滓を残していく人生の、伝統の、民族の、あるいは社会の直接的経験による学びです。
私たちが今、関心を抱いているのは、何世紀にも亘って身につけてきた心理的な学び、伝統として、知識として、経験として受け継いできた心理的な学びのことです。私たちはそれを学びと呼んでいます。が、そもそもそれは学びでしょうか? 私は技能や言語や技術の習得について話しているのではなく、精神はそもそも心理的に学ぶだろうかと尋ねているのです。
精神は常に自らが学んできたことに照らし合わせて、人生や新しい課題を解釈しています。これが私たちの行っていることです。が、はたしてこれは学びでしょうか? 学びには、新しい何か、自分が知らないから学んでいる何か、そういう意味が含まれているのではないでしょうか? 自分が既に知っていることに付け加えているだけであるならば、もはやそれは学びではありません。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜