今日の言葉 11月8日
『名もなくこの世に生きる』
野心を持たず、あるがままの自分でありながら、この世に生きることは可能なのではありませんか? あるがままの自分を変えようとしないで理解し始めると、そのあるがままの自分が変容します。
名も知られずに、誰にも知られることなく、有名でも野心的でも残忍でもなく、この世の中に生きていくことは可能だと思います。自己に何の重点も置かれないと、人はとても幸せに生きることができ、このことはまた、正しい教育の欠くべからざる要素でもあります。
世界中で成功が崇拝されています。貧しい家の子供がいかにして夜な夜な勉学に勤しみ、ついに裁判官になったかとか、新聞売りから初めて、どのようにして巨万の富を築き上げたかなどという話はよく耳にしますね。あなたは成功に対する賛美を糧として、育っているのですよ。
大きな成功を成し遂げるには、大いなる悲しみが伴います。が、私たちの多くは、成功したいという願望に捉われているので、私たちにとっては悲しみを理解し、晴らすことよりも、成功することのほうがはるかに重要であるのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜