今日の言葉 11月11日
『死の状態を感じる』
私たちは死ぬことを恐れています。死の恐怖を終わらせるためには、死と触れ合わなくてはなりません。死について思考が作り出したイメージと触れ合うのではありませんよ。そうでなくて、実際にその状態を感じなくてはいけないのです。さもなければ恐怖の終結はありません。なぜならば、死という言葉が恐怖を生み出しているからです。
有機体は使われたり、病に冒されたりして、いつかは滅びます。私たちが健全であるならば、死とはどういう意味なのか、確かめたいと思うでしょう。これは不健全な願望ではありません。なぜならば、私たちは死ぬことで、おそらく生きることを理解するだろうからです。
死ぬことが何であるかを見出すためだけでなく、生きることが何であるかを見出すためにも、人は死と触れ合わなくてはなりません。つまり人は日々、自分の知ったこと一つ一つを全て終わらせなければならない、ということです。
自分に対して、家族に対して、関係に対して築き上げたイメージ、快楽を通して、社会とのつながりを通して、あらゆることを通して築いたイメージを終わらせなければなりません。死に際して起こることとは、このようなことなのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜