SOLA TODAY Vol.514
この時期になると目立つのが、恵方巻きとチョコレートの広告。ノリで楽しむ分にはかまわないと思う。だけど企業の戦略に踊らされていることは自覚しておいたほうがいいだろう。
でないと、とんでもないことになってしまう。
このままでは絶滅? 「うなぎ」の危機に私たち日本人ができること
節分の恵方巻きや、バレンタインデーのチョコレートよりも古くから残っている習慣。それは土用の丑の日にうなぎを食べること。江戸時代に平賀源内が残した言葉によって、夏はうなぎを食べて当然のような雰囲気になっている。
ところがそんなうなぎは、絶滅危惧種として指定されている。そしてこの記事にも出ているけれど、6割の日本人がそのことを知っている。なのにあいかわらず、今のような冬の時期でもうなぎの蒲焼がスーパーに並んでいる。
なぜ日本人はこんなことになってしまったのか?
この記事では、その理由が取り上げられている。ボクが子供のころは、それほどうなぎを食べる機会はなかった。どちらかといえば高級食材扱いで、おめでたいことがあったら、うなぎを食べよう、みたいな雰囲気だった。あとは先ほどの、土用の丑の日くらいかな。
ところが90年代から2000年にかけて、日本人のうなぎ消費量が大幅に増えている。それはスーパーで大量の蒲焼きパックが販売されるようになったから。技術の進化に伴い、高級食品だったうなぎが庶民の食材になってしまった。
最近の意識調査でも、スーパーでうなぎを買う人が74%にもなっている。何千円もする鰻屋に行かなくても、気軽にうなぎを食べることができるからだろう。そんな背景があるから、いつまでたってもうなぎの危機を日本人は理解できない。
「天然うなぎは貴重だけれど、養殖しているうなぎだったら問題ないやん」と思っている人は多いかもしれない。ところがそれは認識がまちがっている。
うなぎの養殖には、その稚魚が必要。うなぎが絶滅危惧種に指定されているのは、その稚魚の乱獲が大きな理由になっている。それゆえ決められた方法と期間だけ、稚魚を取ることが認められている。だけどそんなものじゃ、スーパーの需要に応えることはできない。
だから密猟が行われている。
ボクたちがスーパーで買っているうなぎは、もしかしたら密猟した稚魚を養殖したものかもしれない。現状を判断すると、かなりその可能性が高いとこの記事でも述べられている。共同通信社の調べによると、国内で取られた稚魚の約5割が、密猟等の不正取引によるものらしい。
ボクはこの2〜3年、うなぎを食べていない。何年か前の土用の丑の日に、スーパーで買ったうなぎが、あまりにもまずかったから。よく考えたら、何もこの時期に食べる必要ないやん、という結論になった。
この記事の最後にも書かれているとおり、日本人は真剣に考えるべきだと思う。別にわざわざうなぎを食べる必要ないと思う。他にも美味しいものはいっぱいあるんだからね。どうしても食べたければ、それに見合う高いコストを払うような高級店だけにするべき。
そうすれば、密猟の稚魚による養殖うなぎや、外国から大量に輸入されたうなぎが、スーパーや回転寿司から消えると思う。そこまでやらないと、本当にうなぎは絶滅してしまだろう。とにかくメディアや企業に踊らされるのは、やめるべきだよね。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする