犯罪の手口は公開するべき
詐欺やハッキングのような他人を陥れる犯罪の手口に関して、警察は積極的に公開するべきだと思う。情報公開に対する一般的な反対意見としては、模倣するバカが出てくるというもの。
それは否定できない。どんな犯罪にも模倣犯がついて回る。だけど公開することのメリットは、そうしたデメリットを超えると思う。
ある記事を読んで、さらにその意を強くした。
飛行機の搭乗券が写った写真から個人情報を抜き出すまでの記録、オーストラリアの元首相の場合
オーストラリアの元首相が、ある写真をSNSに投稿した。リンク先の記事にも出ているけれど、それは飛行機の搭乗券。そこに重大な個人情報が表示されているとは思えない。せいぜい搭乗する飛行機の便名や時間がわかる程度。搭乗後にアップしたら、まったく意味のない情報ばかり。
ところがここから重大な個人情報を抜き出すことができた。なんと元首相のパスポート番号や電話番号まで割り出すことができた。その方法がこの記事でも紹介されている。
読んでもらったらわかるけれど、とてもシンプルな手口。方法さえ知っていたらボクでもできる。こんなことが可能となったのは、航空会社のシステム管理がずさんだったから。
この事実が公開されたことで、航空会社はすぐにシステムを見直して修正している。だからいまでは同じ方法を使っても個人情報を割り出すことは不可能になっている。犯罪の手口を公開するメリットは、このことに尽きる。
詐欺やハッキングのような犯罪は、その悪事を知られることなく行われる。だから騙されているあいだは予防することさえ思いつかない。でもこうした情報が公開されることで、同じ手口の犯罪を未然に防ぐことができる。
ネットにおけるフィッシング詐欺なんかでも、被害にあった人がTwitter等で警告することが増えた。だから同じようなメッセージが届いたとき、そのことを思い出して詐欺にあわずにすんだ人が大勢いると思う。
模倣犯の出現よりも、情報公開することで防げる事例のほうが圧倒的に多いと思う。イタチごっこになるだろうけれど、警察は新しい詐欺やハッキングが起きるたび、大勢の人にその手口を公開することで犯罪抑止になるはず。
でもそれをしていいのは、詐欺やハッキングだけ。逆に徹底てして情報を非公開にする、あるいはネットでの情報を削除するべきものがある。例えば爆弾の作り方や毒薬の調合というようなもの。犯罪ではないけれど、自殺の方法なども同じ。
公開によるデメリットがメリットを駆逐してしまうようなものは、ネット上から徹底的に排除するべき。差別やヘイト発言も同じ毒を持っている。こうした情報公開に関する明確な国際基準を定めて、FacebookやTwitterのような多国籍企業に順守させることが必要な時代になったと思う。ただやり過ぎると、中国のようなことになってしまうけれどね。
『表現の自由』という大切でやっかいな壁が存在するけれど、ある程度の線引きはできると思う。やる気があればねwww
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