ガストンとの対話 Vol.23
ガストンさん、あなたの一族には「癒しの技」を使える方たちがいますね。もちろんあなたがその筆頭ですが、ヒーリングというのはどのように解釈すればいいのでしょうか?
「何も特別な能力ではない。誰もが生まれつき持っている能力だよ」
私にはそんな能力があるとは思えないのですが。
「お前さんは包丁で指を切ったら、永遠に傷口が開いたままか? 一度でも風邪をひいたら、一生風邪をひいたままか?」
そんなわけないじゃないですか!だれだって自己治癒力はあります。
「ヒーリングとは、まさしくその自己治癒力だ。わしが誰かをヒーリングしたとしても、治療しているのはわしではない。そのヒーリングをしている本人が自分で癒しを行っているのだよ」
でもキリストのように、奇跡のようなヒーリングを見せる存在がいますよね。ちまたには多数のヒーリングに関する本が出版されています。セミナーを開いたり、その能力を伝授するというコースがいくつも実施されています。それでも、ヒーリングは自己治癒力だと言われるのですか?
「ヒーリングを施術したり教えるのに、金銭を要求するような輩には近づかんほうが賢明じゃな。エゴ、つまり自我を肥大化させる行為とヒーリングは正反対の方向を持っておる。他人の自己治癒力を喚起するのがヒーリングだ。それは思いやりであり、無条件の愛だ。母親が子供の病気を癒そうとして、子供に金銭を要求するか?」
もう極端なんですから……。まぁ、でも一理ありますね
「人間は固有の振動を持った存在だ。その波動は健康であることが普通であり、病気はその振動が乱れている結果だ。自己治癒力はその振動数を正常に戻そうとうする作用だ。ルパート・シェルドレイクという学者が提唱しているように、肉体を含めた物質には形態形成の「場」が存在する。その目に見えない「場」が存在するから、お前さんの指の傷は元に戻り、切れたトカゲのシッポは再生する。足を切断された人間が、まだ足の存在を感じるというのは聞いたことがあるだろう。それがその「形態形成場」だよ。その「場」が本来持つ振動数に同調するのが、自己治癒力だ」
つまり病気になった人は、その本来の振動数に戻せなくなっている状態なのですね。ヒーラーというのは、その振動数を復活させる人たちなのですか?
「いわゆる共鳴現象だよ。2個の音叉が同じ音を出すのと同じだ。ヒーラーが持つ正常な振動数に触れることで、患者が本来持っていた振動数を取り戻して自己治癒力を働かせるのがヒーリングだ。ヒーラーが治療をしているのではない。その本人が持つ能力を思い出させているだけだ」
だからヒーラーがエゴから距離を置くことが大切なのですね。純粋な波動を出せなくなるからか!
「人間の自我は、本来の振動数を歪めてしまう。その歪んだ振動数で誰かを共鳴させようとしたら、病気がさらに悪化する場合もある。あるいはヒーラー自身が患者の影響を受けてしまうであろう。ただ、ひたすら導管のようにエネルギーを純粋に振動させることに専念しなくてはいけない。シンプルだが、簡単なことではない。さらにもっと大切なことがある。
それは何ですか?
「病気には目的があるということだ。本人は意識していなくても、病気を通じて何かを学ぶという目的があるかもしれない。あるいは自分に能力が存在しないことを知るのが怖くて、病気を理由にして挑戦を先延ばしにしている場合もある。そういった目的がある場合は、一時的に治癒したとしてもすぐに同じ病気になる。治療することのできない病気もあるのだよ。癒すか癒されないかを決めるのは、ヒーラーではなく病気になった本人なのだ」
う〜ん、難しい問題ですね。とにかく自己治癒力が全てだということは理解できました。
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