人生における自由意志の正体
昨日は散歩していても、少し空気が冷たい程度で寒いとは思いませんでした。
散歩の途中でこんなチューリップも見つけましたから、すっかり春気分でした。
ところが昨日の夜半過ぎから強い季節風が吹き出しました。今朝起きた時もかなりの強風です。そしてめちゃ寒い。
いつもの朝のブログをお休みして歯医者さんに行ったのですが、その道中の寒いこと。すっかり冬が戻ってきました。帰りの坂道を登る時も、まったく汗をかきませんでした。
それでも2月も残り一週間を切りました。歯科の治療は次回が最後ですが、その時には3月を迎えています。この寒さも、冬将軍の最後の抵抗でしょう。もう少し暖かさが戻ったら、梅のお花見に行きたいと思っています。
さて、昨晩に読了した本です。
『禅 空を生きる』アジャシャンティ著という本です。
タイトルを見ると「禅」の本のようですが、そうではありません。意識の目覚めを体現しているアジャシャンティの講話や対話をまとめた著作です。私と著者との出会いは『あなたの世界の終わり』という本で、本の表紙を見た瞬間に直感を受け、私にしては珍しくすぐにその場で購入しました。そして何度も読み返している本です。
それ以外にもアジャシャンティの邦訳が出ると、欠かさず目を通しています。この本は図書館で予約しましたが、手元に来るのをとても楽しみにしていました。そして想像していたとおり、素晴らしい本でした。
この本のように「意識の覚醒」や「悟り」について書かれた著作は、読者との出会いに関して、強い必然性で結びついていると思います。ですからあえて私は誰にも勧めません。読むべき必要がある人は、必ず手にするからです。
ただし、このブログを通じてこの本と出会う方のために、最も感銘を受けたことをほんの少し書いておきます。ここから先はあくまでも私見であり、この本を読んで受け取った私のイメージです。言葉で説明しようとすると、そう言わざるをえません。私のフィルターを通過しますから。
人生に自由意志は存在するのか? それとも運命は決まっているのか?
これはよく取り上げられるテーマです。そして「意識の覚醒」を達成したと称される聖者が口を揃えて、「人間に自由意志など存在しない」と言います。すべては運命づけられていて、一人の人間が人生をコントロールしようとすることは無意味だ、ということです。
私もそう感じていますが、この言葉はとても誤解を受けやすいものです。すべてが決まっているのなら、何もしなくていいじゃないか。努力も必要ないし、何か新しいことを学ぶ必要もない。ただ、何もせずに生きていればいいじゃないか、という発想を生みます。
でもそれはまったく違います。努力することも、何かを学ぶことも、人生にとって大切なことです。「人間に自由意志は存在しない」と理解することで、より人生を生き生きと過ごせるようになり、そのような努力に強い意欲を持つことができます。
ちょっと想像してください。まっすぐな道を歩いていて、分かれ道に来たとします。
自由意志があると信じている人は、どちらの道を進むか自分で選択します。なぜ選択するかは明白です。よりよい人生を過ごしたいからです。苦しみたくないからです。その視点は「今、ここ」ではなく、常に未来を見ています。
ポジティブな人は、どちらの道が自分にとって利益をもたらすかで選択するでしょう。ネガティブな人は、どちらの道が悲しむことがないかで選択するでしょう。アプローチ方法は違いますが、やっていることは同じです。今の自分ではない、何かになろうとしています。
つまり自由意志とは、分離した「個」である「自我」が持つものだということです。切り離された存在として自分を見ていますから、適切にコントロールしないと幸福になれない、と思います。敵がいたり、悪人がいたり、災害が待っているかもしれません。過去の経験に基づいて、未来の不安を避けようとしています。だから自分の足で歩かなくてはいけない、と思っています。
一方聖者たちはどういった意識で分かれ道に立っているのでしょうか?
彼らは自分の足で歩きません。常に「今、ここ」にいて不動なのです。歩いているように見えるのは、周囲の景色が動いているからです。ですから分かれ道が目の前に来るまで意識しません。前方から迫ってきた分かれ道が到達した瞬間、どちらかの道に存在しています。自分で動いていません。勝手に道がその方向に移動してきただけです。これがすべてが決められていると述べる、彼らの行動のイメージです。
聖者にとって、どちらの道も同じなのです。すべては一つですから、敵も味方もありません。ただ起きるべきことが起き、それを受け入れるだけです。かといって投げやりになったり、何をしても無駄だと諦めているわけではありません。
この二元化した希少な体験ができる世界を満喫しています。聖者の根底にあるのは無限大の好奇心とすべての対象に対する愛です。そうしたものに突き動かされて、やってきては通り過ぎていく分かれ道を楽しんでいます。常に「今、ここ」に存在していて、不動のまま。
というようなことをイメージさせてもらえた本です。気になる方は読んでみてください。
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