今日のウィルバーくん 2.13
ずっと難しい話が続いてきたので、少し小休止をしましょう。以前にも書きましたが、私が初めて読んだウィルバーの著作は『グレース&グリット』です。彼の妻であるトレーヤとの出会いから、二人の神秘体験、そして病気で早逝するトレーヤのことが書かれた本です。
『死』というものに向き合っていく二人の姿に、切なさや悲しみだけでなく、言葉を超えた愛を感じました。今でも強い印象が残っています。二人が死と向き合っていく様子は壮絶で学びに満ちています。いつかここで紹介したいと思っています。でも、まずは二人の出会いを見てみましょう。
美しいトレーヤを見たとき、ウィルバーは一目惚れだったようです。でも自分に対して彼女はそうじゃなかった、とウィルバーは書いています。とにかく初めて会った翌日の早朝の4時、親友の家のキッチンで神秘体験をしたそうです。トレーヤと出会ったことが原因です。でも、説明が難しい体験だったそうです。その一部を紹介します。
〜以下抜粋。
彼女はその眼ですべてを見る。すべてを完全に受け入れる。慈悲深いX線のような眼である。真実にコミットしている眼だ、と、ついにわかった。もし彼女にまっすぐ見つめられたら、とてもこの人には嘘をつくことはできない、そう思わせる人だ。彼女を直ちに信頼することができる。まったき誠実さが、そのどんな小さな動きや作法にもこもっているのだ。
彼女は誰よりも自信に満ち溢れた人に見えたが、しかしその自信はプライドや自慢とはまったく無縁なものであった。今まで、何かにうろたえたことがあるだろうか。そんなことはとても想像できなかった。
しかしこうした一見、畏怖するような堅固な性格のうらには、踊るような眼があって、それは何か考え込むようなものではなく、むしろいたずらっぽい眼だった。この女性にとっては、すべてはゲームであり、だから、何も彼女を怖がらせるものはないのだ。
軽快さというものが彼女を取り巻いていた。それはまじめだが、深刻なものではなく、むしろ人生のあまりの豊かさのゆえに遊びを楽しむ余裕があり、重苦しいものを脱ぎ捨てて、もし望めば、星にまで到達するぐらいに浮かび上がっていくことができる。
眠りに落ちた。そして眠りに落ちる前の最初の考えで、目覚めた。彼女を見つけたのだ、と。それがずっと考えてきたことだった。ぼくは彼女を見つけたのだ。
〜以上抜粋。ケン・ウィルバー著『グレース&グリット』より。
どのような神秘体験だったのかはわかりません。でも一つ確かなのは、ウィルバーがトレーヤにぞっこんだったことですね。この文章を読むだけで、どれほど強い一目惚れだったのかがわかります。
最後に彼が書いているように、それは運命の出会いだったのでしょう。「彼女を見つけた」という言葉に全てが現れています。きっと生まれる前から誓い合っていた魂だったのだと思います。この二人のその後の様子を見ていると、疑いなくそう感じます。
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