コロナ禍における最恐の怪談
ゾンビ映画で登場人物に死亡フラグを感じたり、オカルト映画で次の扉を開けたら幽霊が出てくるなんてシーンは、怖いけれど気持ちの準備ができる。
だけど本当に怖いのは、まったく想定しない状況でドスンと落とされるような場合。幽霊話じゃないけれど、コロナ禍における日本でそんな恐ろしいことが起きようとしている。
最恐の怪談に至りそうなのは日本経済。この1年半のコロナ禍で、誰が考えても日本経済、いや世界経済が冷え込んでいるのは明らか。エンタメや観光業界、そして飲食業等が大打撃を受けている。人の動きが制限されることで、公共交通機関も減収となっている。個人消費も落ちているので、百貨店等も売上が激減している。
それなのに信じられない統計が出ている。リンク先の記事によると、今年の7月の企業倒産数が、なんと1966年以来、7月としては半世紀ぶりの低水準となっている。負債総額も前年比で29%も減少しているとのこと。
普通に考えたらこの数字に納得できない。デルタ株によって感染者が増えているなか医療崩壊が現実のものとなり、緊急事態宣言の常態化によって小売業の悲鳴が日本全国から聞こえてくる。なのに倒産数が減っているなんて……。
リンク先の記事はその理由を解説したもの。通読して感じたのは、中途半端なオカルト映画や怪談より恐ろしいということ。ボクたちが実感している肌感覚と数字のギャップは、ある意味日本経済にとって断末魔の声かもしれない。
菅政権はワクチン確保に出遅れたうえ、東京五輪の盛り上がりによる支持率上昇の目論見も崩れたことで、これ以上のミスはできない。医療崩壊が叫ばれるなか、どうにかして日本経済の崩壊を防ぐしかない。
その確固たる意思は、官僚を通じて日本中の金融機関に伝わっているだろうというのが、リンク先の記事の主旨。多くの企業が瀕死状態であるのは事実。だけどここで大型倒産を連発させれば、あっという間に倒産の連鎖が拡大していく。
そんなことになれば日本経済は完全に底を打ってしまう。コロナの状況によっては立て直しに十数年という期間を要するかもしれない。それゆえ倒産件数を少しでも減らすよう、金融機関が破綻の先延ばしをしているという状況とのこと。もちろん国による税金のバックアップもあるだろう。
いまの日本経済を説明するとしたら、現在の医療体制を例にあげるとわかりやすいかも。金融機関を病院だと仮定すると、重症患者を全力で延命させることで、とりあえず死者数を減らしている状態。だけどICUはどこも満床で、これ以上空いているベッドはない。
それゆえ同じ状況が続くとすれば、一斉に死者数が増加するかもしれない。つまりこれまでの統計規模を超えた企業が倒産するということ。日本経済の現状は、そこまで追い込まれているということだろう。
ボクはこの記事を読んで、本気で背筋が寒くなった。ある意味映画の『リング』より恐ろしい。そう考えると、このまま緊急事態宣言を延長することは、最悪の事態を招く引き金になってしまうのではと感じてしまう。だけど感染者が増加して医療が逼迫しているのも事実。
とにかく経済も医療も、どうにか最悪の状況を切り抜けてくれることを願うしかない。そのためにボクたちができることは、絶対に感染しないこと、させないこと。それに尽きると思う。
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