Twitter買収で心配なこと
イーロン・マスクがTwitterを買収することが決まった。よほどのことがなければ、このまま話が進むと思われる。Twitter創業者の一人であるジャック・ドーシーも、イーロン・マスクによる買収を歓迎している。
この事態を受けて、ネットでは様々な意見が飛び交っている。イーロン・マスクが経営者となることで、Twitterに言論の自由が確立されると喜ぶ声。反対に、特定の個人がTwitterに影響を与えることを懸念している人もいる。まぁ、賛否両論が激しく交錯するのは、TwitterがSNSとしての価値を容認されているということだろう。
ボクとしては基本的に歓迎している。現状におけるTwitterの表現規制に少し違和感を覚えているから。昨日もあるツイートをリツイートした。猫と犬が散歩して、仲良くご飯を食べて、ゴロリと寝ているだけの動画。なのにセンシティブな動画だとして制限をかけられていた。内容を判定するアルゴリズムが妙なラインで画一化しているような気がする。
昨日のイーロン・マスクのツイートによると、買収されたならTwitterDMの暗号化を強化することを表明していた。言論の自由を広げつつ、セキュリティも強化していくという方針には同意できる。ただある記事を読んで、イーロン・マスクによるTwitter買収に不安を感じた。
イーロン・マスクは宇宙にロケットを飛ばしているけれど、彼のメインは電気自動車を製造しているテスラ。リンク先の記事は、そのテスラの事業がかなり中国に依存していることを指摘したもの。
イーロン・マスクは中国での電気自動車の販売拡大を狙っている。さらに中国に組立工場を所有していて、建設資金として中国建設銀行や中国農業銀行などの地元銀行からの13億ドルの融資を受けているそう。
リンク先の記事によると、コロナでパンデミックが発生したとき、イーロン・マスクはカリフォルニア州の命令を批判し、「人々が家から出られない、出れば逮捕されるというのはファシズムだ」と発言した。
ところが『中国政府がオミクロン株の感染拡大を阻止するために、同社の上海工場の生産を3週間停止するよう命じたときに、マスクは黙って従った』とのこと。この態度のちがいがどうにも気になって仕方ない。
中国政府は2009年に中国でのTwitterを禁止している。それは現在のTwitter社が中国政府に忖度することがなかったからだろう。国民の自由な発言を誘発するTwitterというSNSを警戒したということ。
だけどもしイーロン・マスクが中国政府に歩み寄るとしたら、Twitterを利用しようとするかも知れない。最悪なのは中国政府としてこれまでと同じようにTwitterと距離を取るような姿勢を見せておいて、密かに中国政府の意向をTwitter社に反映させようとすること。言論監視に悪用されないか不安を感じる。
中国政府が他国政府の要人や影響力を持つ人物に接触して、弱みを握ったりハニトラを仕掛けるのは知られている。実は日本人にもそうした人がかなりいると考えられている。イーロン・マスクがそんな状態でないことを祈っている。Twitter買収の背後に中国がいたなんて、シャレにならないからね。
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