最高を望み、最悪に備えよ
今朝のブログのタイトルは、リー・チャイルドが書いた『ジャック・リーチャー』シリーズに何度も登場する言葉。ジャックにとっての座右の銘であり、調べてみるとイギリスのことわざらしい。
Hope for the best, but prepare for the worst.
というのが原文。ボクもこの言葉が好きで、何かある度に思い返している。シンプルな言葉だけに、いろいろな解釈ができる。このことわざがもっとも伝えたいことは、バランス感覚だと思う。
『最高』に偏りすぎると柔軟な対応ができないし、『最悪』に気持ちが囚われると前向きな判断ができない。二つの極のバランスを取ることが肝心だという意味だと解釈している。昨日ある記事を見て、このことわざが頭に浮かんだ。
リンク先の記事は、国際保護法というものがあって、それに基づいて大阪府の吉村知事が発表したもの。ウクライナ情勢等を受けて、他国による日本への侵略が懸念されている。そんなことあり得ないと言い切れる人は、頭がお花畑だと思った方がいい。
日本の経済制裁に対抗するかのように、ロシアは北方領土の返還なんて最初から検討するつもりがなかったことを公にした。戦争をきっかけにして本音が出ただけだろう。
それどころか昨日になって、ロシア議員のセルゲイ・ミロノフという人が「日本はロシアに対して、繰り返しクリル諸島(編注:北方領土と千島列島)に関する主張を繰り返してきたが、一部の専門家によると、北海道の全権はロシアにあるという」と述べたことが報道された。
ロシア政府の正式な意見ではないけれど、こうした考えがロシアの議員たちにあるということ。さらに2018年にさかのぼると、プーチン大統領は『アイヌ民族をロシアの先住民族に認定する』という考えを示している。
この図式からすれば、ウクライナのようにロシアが日本へ侵攻するこじつけになる。アイヌ民族を日本の虐待から解放するという大義名分。現実問題として、陸続きのウクライナ侵攻にもたついているロシア軍に、海を越えて日本へ侵攻するだけの能力はないと思う。日本の自衛隊やアメリカ軍だってそんな状況を許さないだろう。
でも『最高を望み、最悪に備えよ』という言葉を忘れてはいけない。北朝鮮によるミサイル実験は日常的になり、近いうちに核実験をするというアメリカの情報もある。だから吉村さんは、大阪メトロの6駅をミサイル避難先に指定したのだろう。
公共の地下施設はこれまで指定されていたけれど、地下鉄の駅が指定されたのは初めてとのこと。そういえばロシアによる侵攻があった直後、ウクライナの人たちが大勢で地下鉄の駅に避難している写真を見た。あれは遠い過去ではなく、わずか数ヶ月前のことだから恐ろしい。
吉村さんのような都道府県の首長だけでなく、国家としても最悪に備える動きを見せてほしい。東アジアでは台湾や朝鮮半島という火種がくすぶっている。ウクライナの出来事が人ごとでないのを、政府は適切な行動によって国民に示すべきだと思う。
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