カサキナ、初の決勝進出!チャールストン2017(女子テニス269)
“You have to change tactics!”
ダリア・カサキナが見事にローラ・シグムンドを下して、初の決勝進出を決めました!
しかも、相手は同じ19歳のエレナ・オスタペンコという最高の一戦です!
前回のブログで、「カサキナには試合用のコーチが必要なのではないか」と書きましたが、準決勝はそのコーチのアドバイスのおかげで勝てた試合でした。
シグムンド戦のカサキナの作戦は、バックハンドのラリー戦でのミス待ちテニス。
しかし、これがまったく機能しませんでした。
カサキナがシグムンドのバックに打っても、シグムンドはすぐにストレートでカサキナのフォアに流します。
そして、カサキナはなんの戦略もストーリーもなく、そのフォアハンドで相手にイージーボールを供給して、ドロップショットを打たれたり、強烈なショートクロスを打たれたり。
2ndセット序盤までは、シグムンドはコートの中で躍動していました。
いえ、そう見えたのですが、statsを見る限り2人の差はわずかで、実際にドロップショットもなにせ試合開始3球目にいきなりシグムンドに決められたので、そのイメージが強かったのですが、実際には倍以上、ドロップショットをミスしていました。
そして、それを見抜いたコーチが2ndセット1-2とリードされたところで慌ててカサキナに駆け寄って言ったのが冒頭のセリフです。
戦略を変えろ!
すなわち、バックハンドのラリー戦ではなく、フォアハンドのスピンボールを打ちつつも、オープンコートに積極的にウィナーを叩きこめということです。
実際にはそうは言っていなかったのですが、「戦略を変える」とはそういうことです。
そして、さらにコーチが見事な頭脳プレーを見せます。
オンコートコーチングが終わるとき、ベンチに帰る途中で振り向いて、シグムンドに聞こえるように、カサキナに言いました。
“She doesn’t like spin balls!”
シグムンドへの宣戦布告です。
いや、この一言はしびれましたね。
それ以降、カサキナはプレースタイルを一変させて、シグムンドが嫌いなフォアのスピンを多発。
スーパースローで見ると、カサキナは地面に着きそうなあたりからボールを持ち上げており、恐らくですが2500回転は出てると思います。
そして、バックハンドを打っても、シグムンドは変わらずにカサキナのフォアハンドに流すのですが、それをカサキナが強打でオープンコートにウィナー。
もしくは、シグムンドがそのボールをドロップショットやショートクロスで処理しようとしてことごとくミス。
それはまあ、1stセットとはカサキナのボールは、威力もスピン量も桁違いですから、そうそう簡単に決められるはずがありません。
すなわち、コーチはそれを見抜いていたということです。
そして、完全にメンタルが崩壊し、シグムンドにできることはメディカルタイムアウトを取ってカサキナの流れを断ち切ることくらいという状況に。
実際に、それでカサキナのリズムが若干乱れて1ゲームを落としましたが、結局は3rdセットは6-1の一方的な展開。
試合が終わってみれば、躍動していたはずのシグムンドのほうがウィナーは少なく、しかもエラーはカサキナの3倍ですから、これでは当然一方的な展開になります。
シグムンドが、カサキナのコーチが自分に向かって放った、「シグムンドはスピンボールが苦手だ」の一言。
そしてそのとおりにプレーしたカサキナのフォアハンドの前に屈した試合でした。
いや、こんなにすごい駆け引きのある面白いオンコートコーチングは初めてですね。
決勝は、オスタペンコのウィナーがエラーの数を上回れるかの勝負になると思いますが、カサキナは2回戦のプイグ戦ですでに、「ただ相手のフォアハンドにボールを集めてミスを待っているだけでは勝てない」とわかっているはずですので、どれだけ左右にボールを散らせるかでしょうね。
カサキナの顔の横まで跳ねるスピンボールにオスタペンコが対応できずに、カサキナには勝ち切って欲しいと願うばかりです。
テニスでこんなに緊張するのは、2014年の全仏オープン決勝、マリア・シャラポワvsシモナ・ハレプ以来かもしれません。
オスタペンコは、昨年のプレミア5レベルのドーハオープンで決勝戦の経験がありますので、これは当然オスタペンコに有利に働きますが、カサキナの勝利を信じます!
PS
モンテレイも、アンジェリック・ケルバーvsパブリチェンコワという面白そうな決勝戦ですね。
パブリチェンコワのオッズが2.75ですが、ボクは互角だと思うのですが・・・。
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