『ドクター・スリープ』最高だよ!
先月の29日に公開されたばかりの『ドクター・スリープ』。もし迷っている人がいるなら、絶対に行ったほうがいい。
今日は久しぶりに映画館に行った。もちろんこの映画を観るため。
『ドクター・スリープ』という2019年のアメリカ映画。『シャイニング』の続編になる物語だけれど、舞台は前作の40年後。
もちろんネタバレしないのでご安心を。2時間半ほどある映画なのに、まったく時間を感じなかった。PG 12指定なのでそれほどエグいシーンもない。
この作品に関して原作者のスティーブン・キングは、自作の映画化で最高のものだと断言している。特に『シャイニング』の映画に関して、彼は最悪の感情しか抱いていなかったから。スタンリー・キューブリック監督に映画の制作をやめるように言ったほど。
だからこそ、この「ドクター・スリープ』を彼が称賛しているのがよくわかった。なぜなら『シャイニング』の映画で最悪だった部分を、矛盾なくこの映画でまとめあげ、原作者の意図するものに昇華させたから。
当然ながら『ドクター・スリープ』の原作とはそのあたりがちがってくる、でも原作を読んだボクでも、その変更に納得できた。なぜなら『シャイニング」の映画のモヤモヤを見事に解消してくれたらから。
『シャイニング』の映画と原作で大きくちがう部分として、ジャック・ニコルソンが演じたジャック・トランスの死に方がある。映画は息子のダニーを追いかけて末に迷路で死んでいる。ところが原作はまったくちがう。この部分が今回の作品に関わってくる。
さらに同じ『シャイニング」という超能力を持つ黒人コックのディックを、映画では殺してしまっている。原作ではダニーと母親を助けるのにね。
この二つの最悪のストーリーを、『ドクター・スリープ』の映画ではあえて訂正しなかった。むしろそれを逆手にとって、映画の導入部とクライマックスに使用している。そのことによって、本来の原作の意図が完璧に復活することになった。これはマジですごい。
また出演陣が最高。成人になったダニーを演じたユアン・マクレガーは、ボクが原作で読んだイメージどおりのダニーだった。そして13際の超能力少女であるアブラを演じたカイリー・カランという子役も完璧にアブラだった。
肉体は少女なのに、心の中が中年のダニーになるシーンがある。これは原作で読んだとき、映画化されたら演技が難しいだろうと思っていた。その難しいシーンを、この子役は見事に演じていた。まさにオッサンだったもんねwww
そして忘れてはいけないのがレベッカ・ファーガソン。ローズ・ザ・ハットという超能力者の悪女を彼女が演じると知って、ボクは映画館に行くのを決めたくらい彼女の大ファン。
そのボクの期待以上に素晴らしい悪役だった。おそらく原作をきっちりと読み込んでいるんだと思う。このローズという女性は、恐ろしいけれど弱い面も持っている。そのあたりの微妙な雰囲気が完璧だった。
さて、この映画の最高の楽しみ方を紹介しておこう。
まずは原作の『シャイニング』を読んで、この物語の本質を理解する。
次に映画の『シャイニング』を観て有名なシーンを記憶に残しつつ、どれだけ原作をダメにしているかを実感する。
そして『ドクター・スリープ』の原作を読むことで、やや複雑なこの物語の背景を理解する。
最後に『ドクター・スリープ』の映画を観ることで、最初の映画の続編として楽しみつつ。本来の物語の世界に行き着いたことを感じられるはず。
興奮しているのでかなり熱くなってしまった。このままだと延々とウンチクを語ってしまいそうなので、この辺でやめておこうwww
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