他人を動かせるのは『結果』
このブログでは、あまり政治的なことについては触れていない。といって避けているわけじゃなく、中途半端なことを書きたくないから。
ボクには支持している政党もないし、抱えている政治信条もない。そのときどきの政治的な出来事について、是々非々で判断しているだけ。国政に関していえば、いまの野党はまったく信頼できないので、自民党のほうがマシだと思っている程度。
ただファンである政治家がいる。それは大阪市長の松井さんと、大阪府知事の吉村さんの二人。彼らは真剣に大阪のこと、いや関西のことを考えている。大阪万博の誘致に成功したのも二人の協力があったおかげだし、夢洲におけるIR事業も心から歓迎している。IRに関して自民党の政治家がアホなことをやらかしたけれど。
そういう意味では大阪維新の会に好意を持っているし、大阪の人たちをうらやましく思っている。住民投票の権利はないけれど、是非とも大阪都構想が成功することを願っている。ちなみに同じ母体を持つ国政の日本維新の会はちょっと微妙なんだけれどね。
そんな大阪の二人を世に送り出したのは、誰もが知っている橋下徹さん。彼はどのようにして大阪を活性化させたのか? そのことがわかりやすく書かれた本を読んだ。
『実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた』橋下徹 著という本。
過激な発言をするし、売られたケンカは買う人なので、随分と誤解されているのが橋下さんだと思う。そしてマスコミや彼と利害の対立する組織が、そのように誘導してきたせいでもある。でもこの本を読めば、そうした世間の評判がいい加減なものであることがわかる。
ざっと読み通して思ったのは、この本のタイトルとおり、橋下さんがとてつもない『実行力』のある人だということ。知事や市長なんて、失敗すれば4年で追い出せる。だけど府庁や市役所の職員は、40年近くも公務員として働く。だから反目するのが普通だということ。
立候補して公約を実行しようと思っても、役所の幹部たちが反対すればどうしようもない。そのうえ議会の議員に支持してもらえなければ、法案のひとつも通すことができない。そのために橋下さんはどうしたか。
それは『結果』を出すしかなかった。知事でないと、あるいは市長出ないとできないことで、かつ住民と役所のためになることを断行することで、ようやく信頼してもらえる。『結果』がなければ、どれだけ権力を振りかざしても他人の心は動かせないということ。
そのために橋下さんは、自分に反対する人をあえて幹部として任用していた。その彼を納得させることで、その下にいる人たちも巻き込んでいけるから。とにかく見事としか言いようがない。
この本は会社組織等で部下を持つ人にかなりオススメ。自分の部下を動かすために必要なことが、実例をあげてわかりやすく書かれている。ボクとしても小説の人物像を作り上げるのにかなり参考になった。
この本に書かれていることは、どんな職種の人にも当てはまることだと思う。橋下さんを嫌いな人(特に関西圏以外の人)は多そうだけれど、ぜひこの本を読んでみるといい。一般的に誤解されていたことについて、どれだけ彼が深く考えたすえに取った行動なのかが理解できる。とっても勉強になった本だった。
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