う〜ん、かなり残念
今日は朝から見事な晴天です。買い物の行き来、そして自宅に戻ってからも、目に入る範囲で空には雲ひとつありません。いよいよ本格的な春の到来です。
早咲きの枝垂れ桜です。毎年ソメイヨシノの開花直前に咲きますので、散歩のついでに見に行きました。８分咲きくらいかな。
毎年我が家のお花見は、この桜から始まります。自宅から歩いて10分くらいの場所です。この桜が満開になると、その一週間後くらいからソメイヨシノが見頃になってきます。来週の後半あたりからは、ボチボチお花見散歩に出かけようと思います。
さて春の陽気の中を買い物をして、午後からは気になっていた映画を観ました。原作を読んで感動した『プラチナデータ』という映画です。
先に結論を言いましょう。正直言って、かなり残念な出来でした。エンディングにかけて早送りしたくなった映画は久しぶりです。原作の面白さを知っているだけに、余計残念に思いました。
研究所の映像や、蓼科兄妹の部屋の様子はとても気に入りました。本で読んでいたイメージ以上に完璧なセットだったと思います。ストーリーを知らない方に、蓼科兄妹と言ってもわからないでしょうけれどね〜
でも脚本とキャスティングはちょっといただけません……。原作と映画が違うことはよく理解しているつもりです。時間の制約もありますし、文章と映像では表現方法が異なります。それにしても、もう少し脚本を吟味できなかったのかなぁ、と率直に感じました。映像化に関してかなりの数のオファーがあったそうですが、原作者の東野さんはこの脚本で納得されていたのでしょうか？
真犯人の水上を女性に変更したのはいいとしても、その人物像が全く心を捉えてきません。その犯人役に鈴木保奈美さんを起用した意図が全く理解できない。鈴木さんの演技は別にして、このキャスティングが物語を破綻させていたように思います。
そして主人公の神楽の逃亡までの過程が、バタバタしていてとても雑に見えました。原作を読んでいない人なら、訳のわからないうちに進行していく印象ではなかったかと思います。それなのに先が読めてしまう展開。そうなると頑張って神楽役を演じている二宮和也さんの演技が、空回りしているように見えてきます。朝倉という刑事の役を豊川悦司さんが演じていたのですが、二宮さん同様に原作のイメージと違う印象を感じました。監督の演出の問題なのかなぁ？
そして何より残念だったのが、スズランが登場しなかったこと。これは神楽が見る幻覚の女性なのですが、原作ではとても重要な役柄になっています。このスズランが何者かという著者の投げかけに読者が引き込まれていき、事件の真相を解明する鍵となっていきます。そのスズランが登場しないなんて……
イマイチだった映画はブログで取り上げないように心がけているのですが、今日は我慢できませんでした。原作に感動して期待していた分、心の持って行き場がなかったものでから。もしこの映画を先に観ていたら、絶対原作を読まなかったと思います。そして東野作品に最初に触れたのがこの映画だったら、東野さんの他の作品を読むこともなかったでしょう。久しぶりに愚痴、愚痴、愚痴のブログでした〜〜！
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