人生を編む
今日はひな祭り。スーパーのお菓子コーナーには雛あられ等の華やかなお菓子が並び、生鮮コーナーではちらし寿司の材料が所狭しと置かれています。我が家のミューナは男の子なのでひな祭りのお祝いはしませんが、今日は我が家にとっても大切な記念日であります。
結婚記念日は2月3日の節分で、2月は結婚記念日とバレンタインデーを祝って楽しむことにしています。今日3月3日は入籍した記念日でして、入籍記念日とホワイトデーを兼ねてこれまた毎年楽しんでいます。こうして何か理由をつけては楽しんでいます!
と言うことで今日はその第1弾。三重県産の新鮮なハマグリが手に入ったので、マグロや穴子を奮発して買い、今夜は手巻き寿司パーティーをすることになりました。パーティーと言っても我が家にアルコールは置いてないので、お寿司だけですけれどね。ちなみに関係ありませんが、私の大好きな市川海老蔵さんと小林麻央さんの結婚記念日が3月3日とのことです。
天気は下り坂ですが、先日紹介した早咲きの桜はもうすぐ満開です。きっと桃の花もあちらこちらで咲いているのでしょう。散歩していても美しい花を見かけることが多くなってきました。
さて、先ほど読了した本の紹介です。
『舟を編む』三浦しをん 著という本です。
私が観る映画はほとんど洋画でして、邦画を観ることはあまりありません。それでも最近は邦画を積極的に観るようにしています。それはその原作となった小説を読んだことがきっかけです。ところがこの作品は反対で、映画を先に観ました。
たまたまBSで放送されていたのを録画して観て、すっかり気に入ってしまった作品です。24万語の大規模な見出し語で構成される「大渡海』という辞書を出版するまでの、ある出版社の辞書編集部の物語です。ただ映画を先に見ると困ってしまうことがあります。
どうしても登場人物たちが映画の俳優さんのイメージで固定されてしまうのです。主人公の馬締は松田龍平さんで、妻の香具矢は宮崎あおいさん。西岡はオダギリジョーさんで、松本先生は加藤剛さんしか頭に浮かびません。邦画に関しては原作を先に読むほうがいいかもしれませんね。
でもイメージが固定されていたにも関わらず、この原作はとても素晴らしかったです。かなり原作に忠実に作られている映画ですが、私は原作の登場人物たちのほうが好きです。真面目な馬締(マジメ)という人物は、映画よりもさらに魅力的な人物として私には映りました。
チャラいキャラの西岡も、原作のほうがより感情移入できる人物になっています。辞書編集者としての劣等感と葛藤を抱えつつ、自分の現状を新しい部署で受け入れていこうとする姿が素敵でした。地味な世界を描いた作品ですが、いつまでも私の心に残る物語になると思います。
この小説で出てくる辞書を「編む」という言葉に心惹かれました。編集という言葉の由来でしょうし、この物語のタイトルの「舟を編む」にも繋がるものです。数え切れないほどの縦糸と横糸が編みこまれ、美しい織物に仕上がっていく。「編む」という言葉に、そうした荘厳なイメージを感じました。
私たちはいろいろな経験を重ねて、人生を編んでいるのでしょう。喜びの縦糸ばかりでなく、悲しみの横糸が編まれることもあるでしょう。でも諦めることなく丹念に編み込んでいく。そうして出来上がった一枚の織物が、私たちの人生を象徴しているのかもしれません。そうして編みこんでいく人生の大切さを感じさせてもらえる物語でした。
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