日本の音楽配信の不思議
音楽を聴いていないと死んでしまう、というほど音楽依存症のボク。そんな状況を加速させたのは、音楽系サブスクの登場。
はっきり思い出せないけれど、7〜8年前からCDを手にしていないはず。京都にいた15年ほど前には、大量にあったLPレコードをすべてCDにダビングした。そしてそれらのCDもすべて最初に購入したMacBook Airに読み込ませて聞くようになった。
そのうえ音楽系サブスクに加入することで、音楽鑑賞は完全にストリーミングへと移行してしまった。最新の新譜はApple Musicで聴き、過去の懐かしいミュージシャンはAmazon musicで聴いている。スマートフォンとイヤホン無しの生活は考えられなくなった。
おそらくボクと同じような人が増えているはず。そう思ってある記事に目を止めたとき、目を疑うようなデータを見てしまった。
日本も「音楽ストリーミング」拡大期に入った。日本レコード協会のデータから読む音楽産業の現在地
リンク先の記事によると、2021年の音楽配信のみの売り上げは895億円に達したとのこと。ここ5〜6年を見れば、確実に右肩上がりの上昇となっている。これはボクの感覚どおりで、物理CDからストリーミングへ移行する人が増えてきたのだろう。
ところがその先を読んでびっくり。その800億円超えとなったことで、日本の音楽配信に限って言えば2009年ころの規模に回復したそう。
えっ、なんで? 2009年なんて、まだほとんど人がガラケーを使っていた時代。なのに2021年になってようやく追いついたって、どういうこと?
その理由を読んで納得すると同時に、とても懐かしい気持ちになった。
2007年あたりから急上昇した音楽配信。その理由は着メロ。アルバム単位でなく、ミュージシャンの楽曲を1曲単位でダウンロードできるようになり、それを着メロに登録することができるようになった。それまでの着メロは単純なメロディだったけれど、本物の歌手の歌声を着メロにすることができた。
これが爆発的に流行った。ずっと忘れていたけれど、そういえばボクもガラケー時代にスターダストレビューの曲を着メロにしていた。京都のスーパーで買い物をしているとき、ふとスターダストレビューの曲が聞こえてきた。
おぉ、いいBGMを使ってくれているな、と思ったのはまちがい。その音楽はボクのガラケーに電話がかかっていた着メロだった。日本では単発の楽曲のダウンロードが流行したことで、音楽配信については世界的にもユニークな動きを見せていたらしい。
やがてガラケーはスマートフォンに代わり、着メロ用の音楽配信からストリーミングへと移行していった。それでようやく昨年になって2009年のレベルに追いついたということらしい。いやいや、なかなか面白い記事だった。
ところが日本ではまだストリーミングが主流ではないらしい。いまだにCD等の音楽ソフトが売れていて、2021年の比率によると音楽ソフトは68.4%、音楽配信は31.6%という結果が出ている。ボクのようにストリーミングが100%になった人間からすれば、まだ3割強でしかないことに驚いてしまった。
ということは日本の市場においては、まだまだCDが売れるのかもしれない。さらに音楽系サブスク各社の顧客獲得争いも、これからもっと熾烈になるということだろう。サブスク利用者としては大いに競争してもらって、サービスの質が向上することに期待している。
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