余韻
食べた瞬間に味覚で感じる「美味しさ」も、自分の好みに合うかどうかの判断基準のひとつですが、私にとっては口の中に残る後味がいかに心地よいかも大事な判断基準です。
次を誘う味、というのもありますが、ストライクゾーンに入ってきたものは、できればすぐに次の何かを口に入れずにいたいなるべく長く、その余韻を「味わい」たいのです
2015年最後に行ったパン屋さん、「Little Breads To Go」のパネトーネは、私をそんな気持ちにさせた食べ物のひとつでした。
人はまず目で食べますが、その時点では特に感動は無し(失礼!)。ごく一般的な姿形です。
切って、断面を見ても特に感動は無し。ごく一般的なパネトーネの断面です。
口に入れて、最初に歯にあたった感じも特に感動は無し。ごく一般的なリッチなパンの食感です。
口を閉じて、舌に触れて…その上品な味と鼻に抜ける華やかさの中にも落ち着きのある香りに酔うのです
口に入れてからの儚さと、後に残る存在感の大きさ、そのコントラストが印象を深める逸品。
終わりよければ全て良し、色々あった2015年を素敵に締めくくってくれました。
2016年は、どんなパンに出会えるのか…楽しみです。