正統
〇〇風の食べ物、という場合、そこには地名や人名が入ります。
これは私が講義でよくお話しするものですが、〇〇に「ビスマルク」という人名が入る場合には…
美食家であり、大食漢でもあったビスマルクという今のドイツにあたる地域の宰相は、なんでもボリュームたっぷりにして食べたがったため、卵を落とした料理にすることが多かった。だから、中央に卵を落としたものを「ビスマルク風」と呼んでいたりします。
〇〇に地名が入る物には、例えばプロバンス風、ニース風というようなものがあります。
こちらもなんとなく…ではなく、実は細かな決まりがあったりすることも
ニース風、と称しているもの、様々ありますが、本場ニースでは「正真正銘のニース料理店」を掲げるためにはちゃんと料理の規定を守っていないと…らしいですよ。
ちなみに、「ニース風サラダ」の定義は、
1 材料にはトマト、固ゆで卵、アンチョビの塩漬け、ツナ、スプリング・オニオン(わけぎ)、小粒のニース産黒オリーブとバジルのみを使用すること。
ただし、旬の季節であれば、若くて柔らかいソラマメや、若い生のアーティチョークなどを加えても良い。
2 味付けは、サラダボウルの内側にガーリックをこすりつけて香りを移し、オリーブオイルと塩を加えるのみ。
ただし、胡椒と酢を多少加えることはニース料理保存会も容認。
と、定められています。
さて、写真の「PAS A PAS」のニース風サラダは、定義に見合うモノだったのか
正直、食べ手としては、美味しければいいのですが文化を継承する立場の方々は、また別の視点を持っていらっしゃいますよね。
勉強になりました。