関係
開店時間前にお客さんが来ていたらどうしますか?
閉店時間を過ぎてもお客さんがお店に居たらどうしますか?
答えはすごく難しいです。
例えば開店の場合、お店側としては入ってはいただきたいけれど、商品が揃わない状態でお店の中に入ってもらっても…ということもありますし、その方に対応するために全体の準備が間に合わず結果他のお客さんに失礼になっては元も子もありません。買う方としては、欲しいパンが決まっている場合には、それがもう売れる状態になっているのであれば入れて欲しいですよね。特に朝の開店前の時間帯にパン屋に着くといったシチュエーションにおいてはゆっくり見て選びたい時ばかりではないので。
閉店の場合もまた然り。閉店時間になったからといって、後片付けもあるためすぐにお店の人が居なくなれるわけではないので暫くの間であれば…と開けておいてくれる場合もありますが、お客さん側に節度がないと「あそこは時間が過ぎても大丈夫」となり、いつか帰りたくても帰れなくなってしまうかもしれません。かといって、まだパンがあるのに時間ピッタリに閉めるというのもアレでソレ。実際私はお店の中にパンがあるのに売ってもらえなくて悲しい思いをしたことも
どこでどう線引きをするのか、難しいですよね。
私はお店側の立場の場合は、やはり出来るときと出来ない時があって対応がまちまちだと色々と問題もあるのでここは思い切ってキッチリ時間で切ってもいいのかな~と思わないこともありません。お店側の姿勢がハッキリしていればお客さんも学習して合わせてくれるようになるのではないでしょうか。ただし、特例は一切なしというのではなく、相手の状況をちゃんと見て取っていざという時は対応してあげることも必要だと思います。明日の運動会のお弁当用の食パンが欲しい、娘のリクエストなんです、ってお客さんが閉店5分後に来たら…やっぱりあるなら売ってあげていですしね。
お客さんの立場の場合は、今日自分が特別にパンをゲットできることよりもパン屋さんが毎日そこにあり続けて、いつも自分がパンを買い続けていられることが一番大事ということを念頭に置きます。朝急がせたり、夜待たせたりして無理が重なると、いつかお店がやっていけなくなってしまうかもしれません。毎日美味しいパンを焼き続けることが出来るよう、敬意もって行動するように心がけています。
ある日の「ベーカリーハレビノ」、閉店時間直前にいらした熟年のご夫婦がイートインスペースに座られました。私との打ち合わせがあったこともあり、閉店時間過ぎても滞在されるであろうことは分かっていたのですが、退店されるまで何もお声掛けはしませんでした。
どうせまだ開けているのだから…ということだったのでしょう、そして共働きっぽいご夫婦だったので、少しお腹を満たしていってほしいという想いもあったかと…ご夫婦も長居するでもなく、コーヒーとパンを食べるとささっと席を立たれました。
お互いに思いやり合うってことでしょうか、お客様といい関係が築けてきているようですね
写真はマサラダドーナツ、この日はどなたの口にも入らなかったようなので私がいただきました。まぁるい形のパン、甘さの中に酸っぱさもあるオレンジピールがよく効いていました。なにかを象徴しているようだと感じてしまったのは、そんなシーンを目撃したからでしょうか