弾力
苺ジャムを作るには、あまり熟しすぎていない実を使用すると良いと言われます。
なぜならば、ジャムを適度にゼリー状に固めてくれるペクチンが丁度水に溶けやすい形で存在しているから。
ペクチンは、あらゆる果物や野菜に含まれている植物の細胞壁の構成成分で、セルロース等他の成分と結合して植物細胞をつなぎ合わせる働きをしている天然の多糖類です。
熟す前はペクチンは、細胞壁の材料であるセルロースと結びつき水に溶けない「プロペクチン」という状態で存在します。果実の成熟と共に、水溶性のペクチンに変化し、さらに過熟になると水溶性ペクチンからペクチン酸に変化します。
ペクチンやプロトペクチンはゼリー化しますが、ペクチン酸はゼリー化しないので、一般的には過熟なものよりも、やや未熟な果実のほうがジャムに適しているということになるのです。
未熟で小粒なものは、よく安売りになっていたりしますが、そういうものを見つけたらジャムにすると良いというのは経済的な理由ばかりではなく、成分的な理由もあるのです。
ところで、ゼリー状といえば、弾力がある状態のもの…年月を過ごすと張りを保っていてくれたものがなくなるというのは果物も人間も同じなのですね。
みずみずしい苺を食べれば、補えたりするでしょうか
「pâtisserie ma-sa」の苺タルト、ぴっちぴちの新鮮な苺が“まるっと”4個も使われています