大村あつしオフィシャルブログ

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　これまで述べたことは、職場を学校に置き換えても当てはまる真理です。子どもが、授業中におしゃべりをしたり教科書に落書きをする。もちろん感心できることではありませんが、そうした行為は、彼らなりに「他人の時間」を「自分の時間」として過ごしたいという無意識の欲求が引き起こしているのです。

　もっとも、それは子どもだから許される行為です。大人である以上、「他人の時間」は甘受しなければなりません。仕事中におしゃべりや落書きなどご法度であることは言うまでもありません。「他人の時間」は「自分の時間」にはならないのです。

　ところが、その逆の現象はよく見かけます。すなわち、人生に大きな不満を抱き、せっかくの「自分の時間」を「他人の時間」にしてしまっている。こんな人がみなさんの周りにもいると思います。

　一万円のコース料理を食べているときにも会社の愚痴をこぼす。これでは人生に満足できないのは当たり前です。しかも、そうした行為を無意識にしてしまっているとなると、その不満の理由に気付くこともできません。仕事が不満の原因の本質なのではなく、身銭を切ってまで愚痴をこぼしているその行為が原因の本質なのです。

　ですから、同様に仕事に愛着が持てない人でも、一万円のコース料理を一皿一皿味わっていれば、その空間に流れる「自分の時間」を享受することができます。もし、人生に不満を抱えているのであれば、こうした解放された環境を「自分の時間」として楽しむように意識するだけで、その不満は相当軽減されるに違いありません。

　騙されたと思って、早速明日から、まずは朝食のときに、その食事の味を楽しむように意識してみてはいかがでしょうか。できれば、十分早く起きて、食後にモーニングコーヒーを楽しむのもいいでしょう。たったこれだけのことで、人生は随分と違って見えるかもしれませんよ。

　そうそう、サザエさんシンドロームに話を戻しましょう。これまでの説明で、この症候群に陥らないからといって、そうした人すべてが仕事を楽しんでいるとは限らない理由がおわかりいただけましたね。翌日という未来に待っている「他人の時間」をわざわざ現在に引き寄せて自分を憂鬱にしてしまうことなく、日曜日の夜という「自分の時間」を楽しんでいるから症候群とは無縁なのです。

　「自分の時間」と「他人の時間」。このからくりに全員が気付けば、サザエさんシンドロームはこの世から消えてなくなるはずです。

　もっとも、そうすれば株価も上がるのかどうかまでは私にはわかりませんが(笑)。

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