大村あつしオフィシャルブログ

シンシナティ・オープン、カロリーナ・プリスコバがアンジェリック・ケルバーを下して、プレミア５初優勝です！

まあ、終わってみれば、ケルバーがまったく勝てる試合ではなかったのですが、この試合は両陣営とも相当緊張していましたね。

その話は後述するとして、イメージとしてはこんな感じでしょうか。

①ケルバーが自滅した

→　Unforced Errorsの数がプリスコバの16に対して、ケルバーは倍の32ですから、これでは勝てるはずがありませんね。

理由は推測するしかないのですが、やはり先週の土曜日までブラジルのリオ・オリンピックで６試合も戦い、しかも金メダルを賭けた決勝戦も戦っていますので、メンタル・フィジカルの疲れを考えると、シンシナティ・オープンで決勝まで残っただけでもケルバーは賞賛に値すると思います。

②プリスコバが完全にケルバー対策をした

→　ケルバーの攻略法は、センターにボールを返し、アングルショットを打たれたらすかさずダウンザラインなのですが、プリスコバは見事にこのプレーを貫きました。

③ケルバーがプリスコバ対策ができていなかった

→　たまたま数日前のブログに書いたのですが（というか、このブログを始めたばかりの頃に、「プリスコバという、ラケットを鞭のようにしなやかに使う選手がいる」と紹介しています）、プリスコバはテイクバックしながらボールを追うので、ストロークがとてもコンパクトで、長身の割には左右の揺さぶりに強いです。

逆に、自分に飛んできたボールを避けるように動いて打つのが苦手なのですが、ケルバーはプリスコバを左右に揺さぶって、逆にウィナーを決められていましたね。

④プリスコバは、リオ・オリンピックをスキップしてこの大会に賭けていた

ケルバーは、この試合に勝てば世界ランク１位に躍り出ます。

一方のプリスコバも、プレミア５初優勝がかかっています。

当然、両者ともに相当なプレッシャーだったはずですが、コイントスでプリスコバが勝った時点で、すでに試合はプリスコバに有利に働きましたね。

サーブから始めなければならないケルバーは、完全にプレッシャーに負けて、１ポイントも取れずにブレークされます。

この時点で、プリスコバは相当気持ちがラクになったと思います。

しかし、選手以上に緊張していたのが両コーチです。

ケルバーが２ブレイクダウンの0-3となったとき、なぜコーチがベンチに来なかったのか？

相手はビッグサーバーのプリスコバですから、ここでケルバーの気持ちを落ち着けなければ、どこで落ち着けるのでしょう？

結局、ケルバーのコーチは1stセットを取られた後にのこのこやって来ていましたが、ケルバーは興奮してなにかを叫んでいました

（ドイツ語なので、内容はわかりませんが）

一方のプリスコバも、ベーグルで取ってもおかしくない1stセットで、5ゲーム目を落として4-1になりました。

確かに、スコア的にはまだ余裕がありますが、こればかりは試合を観ていた人でないとわかりませんが、突然ケルバーのショットの調子が良くなり、しかもラッキーなコードボールもあったりして、ボクは真剣に「このままケルバーが逆転するんじゃないか」と思いました。

となれば、コーチがベンチに行くタイミングはここしかありません。

しかし、コーチは何もせずに、案の定、次のゲームをブレークされて、ゲームカウント4-3になったところでやっとコーチがアドバイスをしました。

（チェコ語なので、内容はわかりません）

まあ、その後のニューボールのサービスゲームをプリスコバがキープしたときに、この試合勝負あったと思いましたが、恐らく両コーチとも緊張していたのでしょう。

表彰式では、クールなプリスコバが、「ケルバーが１位になるためにこの試合を戦ったことはもちろん知っているけど、１位は次回にお預けね」とジョークを飛ばしていましたが・・・。

この世界ランク１位の争いは相当面白いです。

当然、セレナ・ウィリアムズしだいなのですが、この話題はランキング・ブログのほうに書きます。

ちなみに、プリスコバはこれで順位を11位に上げましたが、ボクはこのブログを始めた頃から、「プリスコバはTOP10に入る」と言って予想を外してきたので、今回の優勝は格別ですね(*^^*)

プリスコバにとっても、昨年のバーミンガムとスタンフォードと、ウィンブルドンを挟んで２大会連続で決勝でケルバーに負けていますので

（どちらも観ましたが、どちらが勝ってもおかしくない試合でした）

今回の優勝は格別でしょう(*^^*)

カロリーナ・プリスコバ！

優勝、おめでとう！

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