ウィンブルドン観戦記2 女子テニス界を何もわかっていないWOWOW・ムグルサ、2回戦敗退(カサキナを気絶するまで応援するブログ92)
グランドスラムをWOWOWで観るときには、最初の数日間はほとんど観たい試合が組まれません。
今回もまともに1試合をフルで観たのは、土居美咲 VS ルイザ・チリコとロジャー・フェデラー VS マーカス・ウィリスの2試合だけ。
ちょっと話が脱線しますが、史上最高の、そして、あらゆるスポーツ選手の中でもっとも優美なプレイヤーであるロジャー・フェデラーのテクニックがいかに凄いかがすぐにわかる動画があるので貼り付けておきます。
通常こうした動画はCGだったり、成功するまで何テイクも撮ったりするものですが、もちろんCGではなく、1テイクで2回成功させるフェデラーは神ですね。
そして、男子テニスにはこうしたスーパースターがいるからか、WOWOWの実況や解説は、普段、女子テニスをほとんど観ていないようですね。
全仏女王のガルビネ・ムグルサが2回戦で負けましたが、ボクは1回戦で負けると思っていました。
ムグルサという選手は、試合前の表情だけで勝つか負けるかがわかる、とてもわかりやすい選手です。
すなわち、こんな顔をしていたら、ほぼ100%負けます。
ボク達の先人は「心技体」という素晴らしい言葉を残しましたが、スポーツで一番大切なのは何よりも「心」です。
そして、一人で孤独に戦うテニスほど「心」の比重が大きいスポーツはなかなかありません。
ムグルサは、この「心」の浮き沈みが物凄く激しい選手です。
昨年で言えば、このウィンブルドンで準優勝しましたが、そのときのムグルサは鬼気迫っていました。
ボクが一番記憶に残っているのは、決勝戦よりも、4回戦あたりの対アンジェリック・ケルバー戦で、2人はまったく互角でタイブレークにもつれ込みましたが、気迫に勝るムグルサが勝ちました。
ところが、2週間、「心」の状態が120%で戦いきった反動か、その後ムグルサは一気に調子を落とし、その不調は東レPPOまで続きました。
東レPPOで、ベリンダ・ベンチッチにあっさり負けた試合を覚えている人も多いと思います。
しかし、シーズン終盤ということでスイッチが入ったのか、その後の北京オープンで優勝しました。
そして、最後の闘志を振り絞ってのツアーファイナルズでもいいテニスをしていたのですが、今年に入って一転、まったく勝てなくなりました。
その負け方はワンパターンで、いわゆる「自滅」です。
ラリーでことごとくミスをして、終わってみればほとんどの試合で約30個のUnforced Error。
最多は、数ははっきり記憶していませんが、ドバイ・オープンで負けたときの約70個のUnforced Errorです。
テニスで1試合のトータルポイントが約70ですから、これは相手のポイントのほぼすべてがムグルサのミスであることを意味し、こんなにプレゼントしたら(ですから、英語の実況ではUnforced Errorのことを”Gift”と言います)相手の順位は関係ありません。
「心」が入っていなければ、相手が100位圏外の選手でも負けるのがムグルサという選手の特徴です。
そして、全仏オープンで疲れ切っているのか、ウィンブルドン開幕前のインタビューのときからムグルサは覇気がありませんでした。
ちなみに、全仏オープンのセレナとの決勝戦の前のインタビューでは、ムグルサがこう断言したのをよく記憶しています。
“The final will be a tough match because between two best players.”
「決勝は、二人のベストプレイヤーの戦いなのでタフな試合になるわ」
自分で自分のことを「best」と言ってしまいました( ;∀;)
しかし、裏を返せば、それだけ気合が充実しており、「セレナと戦えるなんて光栄だわ」みたいな社交辞令もなく、実際にセレナに勝って優勝しました。
さて、今回のムグルサの敗戦は、完璧に彼女の負けパターンです。
テニスのトップ選手は、約24メートル先のベースラインぎりぎりに、ボール1個分の誤差でラリーをします。
しかし、「心」が入っていないときのムグルサは、ボールが1メートルもオーバーします。
ネットにもよく引っ掛けますが、ギリギリではなく、ネットの真ん中あたりに引っ掛けます。
これが、負けるときのムグルサなのです。
ボクが、ムグルサのファンなのに、今一つ彼女を心の底から応援しきれないのは、はたから見ていると「無気力試合」があまりに多いからです。
好き嫌いはあるでしょうが、出る試合は常に全力を尽くすマリア・シャラポワとは雲泥の差です。
ところが、WOWOWの実況や解説は、ムグルサが全仏オープンで優勝したことや(だから、ウィンブルドン2回戦で負けたのですが)、現在世界ランク2位という情報のみで、
「ムグルサらしくないミス!」
を連発していましたが、女子テニスを観ている人なら、「ムグルサらしいミス」であることは一目瞭然です。
WOWOWは男子テニスを追いすぎて、女子テニスのことをなにもわかっていないように感じました。
というか、グランドスラム以外の通常のプレミアトーナメントをあまり観ていないのでしょう。
観ていれば、ムグルサが全仏オープンのあと出場した、母国スペインで開催された小さな大会(出場選手は当然、ランキング下位の選手ばかり)で1回戦で負けたことを知っているはずですし、ムグルサは芝はこの1試合しか出場せずにウィンブルドンに出場していますので、負けるとしたら、自身のテニスが芝にフィットしていない1回戦か2回戦あたりということは容易に想像がつくはずです。
WOWOWが女子テニスには力を入れていない、それを象徴する別のエピソードですが、土居美咲がカロリーナ・プリスコバを2回戦で破りましたが、これがどれほど凄いことかにほとんど触れませんでした。
代わりにティームの話ばかりしていましたが、世界一のテニス王国のチェコで、ペトラ・クビトバと1位を争っている、女子でNo.1のビッグサーバーのプリスコバに、しかもウィンブルドンで勝つのがいかに凄いことなのか、この放送では視聴者には恐らく伝わらないのではないでしょうか。
というか、日本人中心に番組を組むのなら、こうした試合こそ録画でもいいので放送して欲しいですね。
まあ、WOWOWも慈善事業をしているわけではなく、加入者を満足させ、もっと増やさなければなりませんので、錦織圭のいる男子テニスを中心に放送するのはしかたないとあきらめるしかありませんが、グランドスラムのときのほうが女子テニスを観る時間が少ないというのは、なんとも皮肉な話ですね(´;ω;`)
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おはようございます。
確か武漢オープンはビーナスが優勝ではなかったでしたっけ?
そしてムグルサですけど解説がなぜか神尾米でも杉山愛でもなかったですね。あと謎なのはやたら相手を褒めだすという意味不明さ。あのムグルサなら奈良くるみだろうが日比野奈緒だろうが関係ないですからね。
女子テニスに力の入れなさは神尾米、杉山愛、森上亜希子がいるのにまあなんとももったいないといったところもありますね。
>確か武漢オープンはビーナスが優勝ではなかったでしたっけ?
え?ビーナス、1stセットで元々痛めていた太ももの怪我が悪化して棄権しましたよね?
それで、ムグルサもあまり喜んでいなかった記憶があるんですが、あれは一昨年でしたっけ?
>女子テニスに力の入れなさは神尾米、杉山愛、森上亜希子がいるのにまあなんとももったいないといったところもありますね。
というか、「セレナに陰りが見えて、今年ウィンブルドンで勝つのは?」なんてビデオを作って、
真っ先にムグルサを挙げるのはいいんですが、それならせめて、
今年のムグルサの試合結果を事前に調べて欲しいですね。
全仏オープンの優勝以外はボロボロですからね。
前からわかっていたことですが、WOWOWの実況や解説は、あらかじめ放送予定の試合の選手は、
たとえ100位圏外でも、まるで「何度も試合観ています」みたいな解説をしますが、
今回、マレーの試合の途中でいきなりムグルサに切り替わり、
実況も解説も予習ができずに、「今年の全仏オープン優勝」「昨年のウィンブルドン準優勝」という
最低限の知識しか持っていないことを露呈しましたね。
テニスバカさんのおっしゃるとおり、必死に相手を誉めていましたが、
誰が見ても、相手が強いのではなく、ムグルサの自滅です。
それに、土居美咲がカロリーナ・プリスコバを破った快挙をまったく放送しないのは意味不明ですね。
1人で3勝あげて、チェコをフェドカップ決勝に導いた立役者に勝ったのに・・・。
この試合は、同じ日本人として観たかったですね。
まあ、ボクはWOWOWの社長でもプロデューサーでもないので、なにを言ってもしかたないのですが。
脱線しますが、ボクは神尾米さんがいちいち、ムグルサ選手、ラドワンスカ選手と「選手」と付けるのが
どうしても馴染めません。
野球の中継で、「イチロー選手、ホームラン!」ではテンション下がりますよね(笑)
だから、杉山愛さんが解説だとテンションが上がります(*^^*)
すみません。
おっしゃるとおり、武漢オープンでリタイアしたのはムグルサのほうでした。
ただ、1stセットがおわったあとに、ビーナスが一度、ムグルサのベンチに来たことはよく覚えています。
それで、「棄権」という結果になったことも記憶しているのですが、
完全に記憶違いでしたm(_ _;)m
ブログの方は直しておきました(*^^*)